始まりの妖

本当に力ある妖はそれこそ、ぬばたまの闇の中から産まれる・・・
深い闇と、怨み、欲望、妬み、様々なものが混ざり合って一つの意識が生まれる。

闇から生まれる妖は・・・他の妖とは違う。
『始まりの妖』と云われ、『大妖』となることが当然だった。

一目見た瞬間から分かる・・・深い深い闇の薫り・・・
陶酔する薫り・・・
それに他の妖は惹かれ欲する・・・

鵺もまた『始まりの妖』だった・・・

鵺は深山にすめる化鳥なり。
頭は猿、足手は虎、尾はくちなはのごとき異物を射おとせしに、なく声の鵺に似たればとて、ぬえと名づけしならん。


水に拘束されながら蛟からの口付けを受けた常世を、水が拘束したまま、ザアーーーッと空中へ持ち上げ、蛟・白亜の前に下ろす。
水は蛟が操っているもので、常世は眉を寄せた。

場所が悪い、これでは白亜に優位になってしまう。
もう早々に仕置きをして仕舞いにしようと妖力を集める為に意識を集中した瞬間、自分の内でその力が霧散したのが分かった。

「なに、、?」

驚愕で漆黒の瞳を見開く、けれど無理だった。頭が霞がかかったように重い・・・力が出ない、手が震えてしまう・・・
すると、視線の先で蛟・白亜がわらった。

「龍の毒を甘く見ないで下さい。常世様。
私の体液は、私の意志で全て痺れ薬・・・つまり媚薬になりえるんです。
それは龍が己の眷属を造るための物・・・少量で、どんな者でも自由を奪う。」

その毒を俺は噛まれた首と・・・さっきの口付けから受けたってぇことか。
冷静に考えても、常世には、如何すれば良いか分からなかった。

毒によって本気を出せない上、この蛟・白亜とは百年程の付き合いだから殺したくも無い。

だがその次の瞬間に、蛟はその手でスッと白の着物を纏っただけの常世の下肢に手を伸ばした。
スッと太股の内側を撫でられる。
途端、得も云われぬ快楽が突き抜けた。

「あっんっ!あっ!」

ただ撫でられただけなのに、その驚愕の事実に常世は己を見下ろす身長の高い白亜を見上げる、

「大丈夫です、敏感になってるだけですよ。でも・・・そうですね、早めに色狂いにさせてあげます」

そういうや否や、蛟・白亜は水で拘束している常世の前に跪いて帯を解いた・・・
そして着物を解くと、おもむろに常世のそれを口に含んでしまったのである。

「あぁっ!!くぅぅ・・・」

ピチュッ、クチュッと舐められて、吸われて、頭が可笑しくなる。
媚薬としての唾液の効果から、焼けるような劣情が駆け抜ける。

「よせぇ!あぁぁぁ!!」

手も使われて、淫靡な音がする、狂いそうだ。熱い、熱い、熱い
その時にはもう達していた・・・普段なら有り得ない・・・
俺のを跪いている白亜が美味そうに飲み干している・・・

どうしてこんなことになった・・・鯉伴・・・会いたい。
一刻前にはアイツの腕の中にいたのに・・・

けれど敏感にそれを察した白亜が指に唾液を絡ませて、その白銀の瞳を細めた。

「何を考えてるんです?私のことだけ考えてください」

指が・・・白亜の唾液で濡れた指が俺の内に入ってくる・・・クチュッと音を立てて・・・強く感じる圧迫感。
そして入った瞬間に感じる熱、俺を犯して突き上げろと云いたくなる・・・白亜の毒・・・媚薬。

「ぁぁっ、いいっ、、」

自分で何言ってるのか、俺は・・・途端に白亜の指でバラバラに掻き混ぜられてあられも無く俺は喘いだ。

グチュッ、ヌチュッ、ピチュッ

「あっ!んぅ!!あぁ!!いぃ、、そこだ!!」

ある一点を突かれると快楽で真白になって腰が揺れる。
白亜はそれに気付いて重点的にソコを攻めてくる。

すげぇ良い

「もっと欲しいですか?常世さま?私に犯されたい?」

意地悪く指の動きを止めた白亜に、俺は快楽が止められなかった。
媚薬としての熱が俺を煽る。
意識が・・・飛びそうだ・・・

「よこせっ・・・・・俺を犯せっ・・・」

それに白亜は「仰せのままに」と艶然と笑った。




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