<■■村>act.1

俺を厭え。

俺を憎め。

そして俺を殺しに来い…


竜二


俺の唯一の弟。


竜二

声にならぬ思いは言葉にせず。

この胸に。






●●村>・・・

2千年頃に流行した村系都市伝説・・・

「陰惨都市伝説により地図からも消されてしまった村」・・・その調査依頼に目を通して竜二は溜息を零した。

<人を喰らう村>

人を飲み込む怪異。

それはどこと無く・・・「神隠し」を髣髴とさせるのだ、「神隠し」で俺は・・・大切なものを失くした。

竜二は自身の胸に重くのしかかる暗雲を振り払うように緩く首を振ったのである。

もう少し様子を見たほうが良い・・・

この手の話は下手を打つと不味いと理解していた。

そして竜二は真剣に見ていた書類から目を離す。
襖から差し込む月光が柔らかく、何か予感めいたものを感じた。


何かが、ゆっくりと動き出す・・・




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