ACT.翡翠




世界が滅んでも…誰が傷付いても…誰が死んでも…

君が私の側にいれば…それだけで良かった…


私に『心』をくれた君だけが…


私の『世界』だった…


君が微笑む…美しく…君の瞳に私が映る…鮮烈に…君の手に僅かに触れただけで…暖かい…『想い』が溢れて…


幸せ…


穏やかに…


それを君が教えてくれた…君だけが私を照らす光…あまりに愛しすぎて胸が掻き消えそうだよ…

この『想い』をなんと言おう…なんと伝えようか…この激情をどんな風に表せば良いのか判らない…何もかも初めてだから…

でもただ知ってる…君は私の唯一人…私の『心』…



『愛してるよ…』



この『想い』…消え去ることの無い『想い』をなんと言おう…なんと伝えようか…遠い君に…

この激情をもう伝える術は無くて…私はいつも戸惑う…

…君が死んだ…から…そう死んだ…私を置いて…君という『光』が消えたから…

白龍と黒龍の力で…この『京』を守るために…


何故,『君』なのか…君以外なら何人でも死んで良いのに…何故,『君』なのか…


『独りにしないでくれ…』


もう独りに戻れない…光がこの胸に一度,宿ってしまったから…その暖かさを知ってしまったから…


『翡翠…哀しまないで…』


残酷で優美な君…私は君の言葉に縛られることを知っているのに…


優しい笑顔で…どこまでも私を見つめて…最期にそう囁いた…


「愛してる…」


最後にそう囁いた…





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