こういう時に、やっぱりマルコって仕事出来るなぁって思う。

「こちらでございます」

下のレストランで食べると決まって降りてきて、マルコが店員に何事か言うと、奥まった席へ案内された。

そこは衝立で仕切られ、他からは見えないようになっていて、窓からの景色には海が映っている。
そしてテーブルには湯気の立っている美味しそうな食事が並べられていた。

「うわぁ!やべーお腹減った」

見た途端にぐぐっと食欲が湧くと、マルコの笑い声がした、

「だと思ってねぃ、準備させといたドンドン食えよい」

そう言って「俺の奢りだ」と言う、マルコ。

なんか今日はマルコに色々買ってもらって悪いなと思った。
「俺も払うよ」って言うと、マルコは「いや、俺が奢りたいんだよい」と優しい顔で言うから何も言えなくなる。

ここは素直に優しさを受けよう。

「わりぃ。じゃあ代わりにマルコに良いもの見せるからさ、風呂のあと付き合ってくれよ」

そういうとマルコは楽しみにしてるよぃと笑ってくれた。

運ばれてくる料理は、すっごく美味しくて海鮮のリゾットとか赤ワインで煮込んだ鹿肉とか美味しくて、とにかく美味しくて。

満足だ。

更にマルコとこうやって話す時間が楽しくて、俺の食べながら寝る癖が出なかった。



エースと食事していると楽しい、美味しそうに食べるからこっちまで嬉しくなる。

エースと時間を過ごして、どんどんエースの好さが見えてくる。

『俺も払うよ』と言われたけれど、俺がエースを甘やかしたいのだ。
エースが死んで、何一つしてやれなかった自分を許せなかった。

俺が出来る少しの事ぐらい、してやりたいから。

なぁエース、俺にもっと甘えろよい。

それが俺は嬉しいから。





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