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そしてマルコは時を逆行し、新たな未来が拓かれ、マルコとエースが食事をしていた時だった。
バタンッと店のドアが開いた。
「よう、皆おそろいで!ゼハハハハッ!!」
巨体がぬぅっと店に入って来た。
その声を聞いた瞬間にマルコの背筋がザワついた。
思わず殺気を飛ばすと、気の弱い連中がバタバタと倒れてゆく。
一瞬にして変わる、その緊張した空気。
「おぉ、マルコ隊長!こえぇよ、俺だティーチだ。そんな怖ぇ気を飛ばすなよ」
おどけて見せる、その男に憎悪が湧いて幸せだった気分が一気に急落した。
でもまだ、このティーチは「何もしてない」から俺がこんな態度を取ったら不味い。
そう思ってなんとか息を吐いて、気を落ち着かせる。
「悪かったよい、最近なんか落ち着かなくてねぃ」
と手の平で顔をおおった・・・奴の顔を見ないために。
「疲れてるんだよい」
そう付け加えると、ティーチは、
「大丈夫か?マルコ隊長。
今度から俺が一番隊に入ることを聞いた。
出来る限りサポートするからな!
ゼハハハハハッ!!」
と人が良さそうに笑う。
仲間のフリをして何を言ってるんだよい!!
サッチを!オヤジを!!エースを殺したくせに!!!
揺さぶりたい衝動になんとか耐えた。
するとエースが「マルコ?」と気ぜわしげな瞳で俺を覗き込んで、
「すぐ休もう、買出しは明日行こうぜ」
と俺の額をおおっている手をとった。
そのまま「悪い、俺らもう宿で休んでくるわ!」と店から俺を引っ張り出してくれた。
また俺はエースの優しさに救われている。
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