SIDE・A

マルコが笑う。

暖かく

やわらかく

時たま海賊らしく魅力的にも、笑う。

それを見て俺のやわな心臓はとくんっと動く。


さっきマルコが買ってくれたイカ焼きに齧り付きながら、やっぱ二人で島を回って正解だと思った。

マルコはここ数日張り詰めている感じだった・・・俺の目の前でも涙を流した。

だから、元気になったって俺自身が納得しないと心配だし、とにかく今のマルコはなんか良い感じで良かった。

「エース」

と思ってると、マルコが俺を見て、またふわりっと暖かく笑う。

「ついてる・・・お前、お決まりすぎるよぃ」

どこの子供だ、と。
手が伸びて、俺の唇の端に付いてたソースを拭って、そのままマルコが自分の口へ、

「うまいな」

ぺろっと見えた紅い舌に顔の熱が上がる。
こっちがゾクッとするぐらい魅力的にマルコは微笑んでいて。


ヤバイッ、また、俺、やばい


マルコは何もなかったかのように、すぐに横の出店に気を向けていた。

反則だ・・・

俺の中でマルコが凄く大きくなっているのが分かる。

でもどうしようとかじゃなく、今、この時間を素直に楽しみたいと俺は思った。

今、この瞬間を。




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