会議のあと編
「マルコ、今日はどうしたんだろうなぁ」

「まぁこんな日もあるさ、疲れてるんだろ」

白髭に入る前は元々が船長な隊長達は、癖が強い。
彼等一人ひとりが船長だったからこそゴリ押しされることは嫌いだ。
故にマルコの強硬な態度に彼等は不快な感情を僅かに出しながら席を立っていった。

ハルタなどは「まぁ落ち着けよ、皆」とフォローを入れ、宥めながら部屋を出て行く。

だが最後まで会議室に残っている二人がいた。

「おーい、エース。」

サッチが声をかけてもエースはジッと自分の席についていて。
ジィッと机の真中らへんを硬い表情で見つめている。
そんな弟の姿にサッチはため息を一つ零す。

「不満そうだなぁ」

「・・・話してくれなかったんだぜ」

それが哀しい、悔しい。
俺はマルコの隣りに立っていたい。

サッチは「仕方ねぇなぁ」と息を零した。

「俺だって話して貰ってないぜい、まぁ、あんまり気にすんな。
マルコは有能な分、周りを置いていく癖があるんだ」

まぁ普段なら、充分な根回しと気遣いするんだがな、とサッチが首を傾げる。

俺もその通りだと思う。
マルコがこんな強引に、早急に、物事を決めるのを見たことが無い。

昨日のマルコには変な素振りは無かったのに、今日になってマルコの纏う空気が違う気がする・・・

例えるなら張り詰めた糸・・・
糸がピンッと張られているんだ。

それに俺たちとマルコの間に何かが横たわっている感覚がする。
それが何なのかエースには分からないのだけれど。
マルコの泣き顔が頭から離れない。

側で支えたいって俺は思ってる、誰よりもマルコの考えを理解したい。
そこまで考えて顔に熱が集まった。
心臓がうるさい
こんな思考回路おかしい。

これじゃあ、まるで恋だ。


そして、そんなエースを見て、サッチは仕方ねぇなぁと苦笑を零すと、

「気になるなら、今からマルコに聞いて来い。
兄弟だ、変なとこで遠慮すんなよっ」

そう笑って背中をバンバンと後押しし、エースはサッチの気遣いに微笑んだ。

「おぅ、サンキュ。
ちょっとマルコのとこに行って来る。」

そういって慌しく部屋を出て行った弟の背中をサッチは暖かく見守っていた。




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -