『ひとりの夜には、』

冬の夜、肌寒いから部屋はあたたかく。

ふかふかの毛布を持ってくるのもいい。

同じくふかふかのソファーに身を預けて、サイドテーブルにはブランデー入りのオレンジペコー。
少しの甘味もあっていい。

それで本を読みふける贅沢。

マルコは眼鏡を指先で軽く上げた。

その時、コツンッと響く、ノックの音。
間を開けずに開くドア。

「よぉ、マルコ」

見慣れたリーゼントを降ろして、頭の上でゆるく髪を結んだ旧友の姿。
風呂上りなのだろう。

「飲もうぜい」

彼が掲げる一本の瓶。

笑みがマルコの口に浮かぶ。

「良いねぃ」

そう、一人の夜には、予定を変更して気が知れた親友と酒を酌み交わすのも良い・・・

いつも運命は新しく、優しく流れてゆく・・・

END




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