駐輪場に行って、オレと泰河のバイクのトコに行ったらちづちゃん目をまん丸にしてバイクを見てる。
オレたちがバイク登校しちゃってるの知らなかったんだねぇ。
「ちづちゃん、バイクってはじめて〜?」
「ぅ、うん…これで、行くの?」
「そうだよぉ。」
不安そうにバイクとオレたちを見るちづちゃん。
そんな怖がらなくてもちづちゃんが乗ってるのに飛ばしたりしないよぉ。
とりあえず、ちづちゃんの脇に手を入れて抱っこしてバイクの後ろに乗せたげた。
ちづちゃんめちゃくちゃ軽いの!
軽過ぎて危うく叫んじゃうトコだった。
座ったちづちゃんにオレのメットを被せたら大きくて、すこーし重そう。
ごめんねぇ、今ソレしかないんだぁ。
カバンも持ってもらって、オレが前に跨る。
泰河もノーヘルでもう何時でもOKって感じ!
「ちづちゃん、スピード出さないケドしっかり掴まっててねぇ?」
声をかけながらちづちゃんの腕を腰に回したら、うんって返事がして、服がきゅっと掴まれる。
ゆっくり走りはじめたら怖いのかギュギューッて抱きついてくんの。
可愛いケド怖がらせ過ぎちゃダメだから法定速度で走るオレ。
泰河はムシして先に走っていっちゃったぁ。
いつもは10分くらいで着いちゃう店も、ちづちゃんがいるから20分近くかかっちゃう。
着いてオレが下りたらちづちゃん後ろに座ったまんま、バイクってすごく早いねってちっちゃく笑ったの。
怖かったかなぁって思ったケド、もしかしたらちづちゃんバイクとか好きなのかも!
今度どこかに連れてってあげよーかなぁ。
メットを取って下ろしてあげたら「ありがとう…。」ってちょっと照れてるしぃ。
カバンを持ってもお礼ばっかり言うからオレも恥かしくなっちゃいそー。
店の前にはもう泰河がいて、煙草吹かして待ってんの。
ちづちゃんの前で煙草はダメだよぉ?
オレの姿見たら煙草を壁に押し付けて消して、傍にいたヤツに吸殻を捨てさせてた。
泰河もやっぱりちづちゃんの前で吸うのはビミョーみたい。
ひょこってちづちゃんがオレの後ろから顔を覗かせたときには、もう泰河は煙草持ってないし。
「遅ぇぞ。」
「しょーがないでしょー?泰河と違ってオレってばイイ子だから、法定速度ゲンシュだしぃ。」
「嘘吐け。」
先に入ってく泰河について行くとちづちゃんがちょっとだけ気後れしちゃってた。
ちづちゃんはクラブとか行ったコトなさそーだし。
オレがちづちゃーんって呼んだらキチンとついて来たケドネ。
よーし、イイ子イイ子。
みんなオレの後ろにいるちづちゃんが気になるっぽい。
でもちづちゃん緊張して俯いちゃってるから分かんないみたい。
オレたち専用のVIPルームに着いたらやーっと顔を上げてくれたぁ。
けど部屋にいたヤツらが怖かったみたいで、オレの後ろで隠れたまんま動かないの。Prev Novel top Next