「おい、早く行くぞ。」
センセが帰りのHRしてるトキに泰河がドア開けて乱入してきちゃって、教室が一瞬静かになっちゃった。
ビックリしたセンセも慌てて終わりにして出て行っちゃうのぉ。
あの真っ青な顔とかバカ面白かったぁ。
「行こっかぁ?」
ちづちゃんに声をかければ頷いて立ち上がって、カバンを持とうとしたケド、オレがちづちゃんの手からカバンを奪っちゃう。
目をパチクリさせて見上げてくるちづちゃんにニッコリ笑いかけてあげた。
「持ってあげる〜。」
「え、でも…、」
「女の子は重たいモノなんて持っちゃいけないんだよぉ?」
特にちづちゃんみたいにちっちゃくて細い手が重いモノなんて持ったら、折れちゃうじゃん!
ちづちゃんが持ってイイのは一キロ未満!コレ決定!!
背中を押して教室の外に促してあげたら、ちーっちゃな声でありがとうって御礼を言ってくれたんだぁ。
これくらい当たり前なのにねぇ。ちづちゃんって律儀だなぁ。
ドアのトコで待ってた泰河はオレとちづちゃんが来ると歩き出したんだけど、さっさと行っちゃうからちづちゃんが走らないといけなくなっちゃうじゃん。
「泰河ぁ、早過ぎぃ。」
「ぁあ?…っと、悪ぃ。」
振り返った泰河が走るちづちゃん見て、バツが悪そうな顔したの。
ちづちゃんちっちゃいからオレらがゆっくり歩かなきゃ、かわいそーでしょ?
でもちづちゃんは怒るどころか申し訳なさそーに泰河を見て、
「私が、遅いだけだから…。ごめんなさい…。」
って言うの。ちょー健気。ちょーイイ子じゃん?
泰河なんてチョーシ崩されて「あぁ」とか言いながら頭掻いてるしぃ。
ぷぷっ、って笑ってたら蹴られちゃった。
モチロンしっかり避けたけどねぇ。
ちづちゃんがビックリして大丈夫?って聞いてきて、ヘーキだよぉって返事したらホッとした顔したの。
オレって実はけっこー強いんだよぉ?
だから心配されるコトなんて滅多にないからちょっと嬉しいかもー。
ちっちゃい頭を思わず撫でちゃったら一瞬ビクッとしたけど、イヤがんないし、ちょっと恥かしそうに俯いて可愛かったぁ。Prev Novel top Next