「ちづちゃん、ヘーキだよぉ?みんな顔はちょーっと怖いケドぉ、仲良しだからぁ殴ったりしないよー。」
オレがそう言ったら何人かの口元が引きつった。
でしょー?って聞いたらみんな頷いたしぃ。
ちづちゃんもオレの後ろから出てきて、ぺこんって頭下げて名乗ってるの。
別にコイツらにあいさつなんてしなくてもイイのにねぇ。
みぃーんなビックリした顔でちづちゃんのコト見てたんだぁ。
普通の子だもんねぇ、オレの遊び相手とは全然違うしー?
「おい、コッチ来い。」
部屋の隅にあった鏡の前に椅子を持って来て泰河はやる気マンマン。
なんだかんだ言いつつ泰河って最後は折れてくれちゃうんだよねぇ。
ちづちゃんの背中を押して椅子に座らせてあげる。
泰河がすぐにタオルを首元に巻いて、それからビニールのヤツをかけて準備オッケー。
専用の棚から梳きバサミとか櫛とかドライヤーとか色々取り出してくる泰河に、ちづちゃん興味深々って感じ。
おっきい髪留めで前髪を持ち上げて上で留めたら可愛い顔がよく見えるんだよねぇ。
不安がらないよう隣りに座ってあげてるから、オレからだととーってもよく見える。
「髪型とか何か希望は?」
「え、あ…えっと、ない…かな。」
「じゃ俺のテキトーにするわ。」
梳きバサミでシャキシャキ髪を切ってく泰河。
イイなぁ、オレもちづちゃんの髪に触りたーぃ。
髪が入らないよう目を瞑ってるちづちゃん。髪の毛が邪魔にならないように払ってあげてたら、泰河がウザったそうな顔してたぁ。
あははー、ごめんねぇ。
一時間くらいかなぁ。
泰河が髪を切り終えて、ビニールを取ったらあら不思議〜!
ちづちゃん前よりもずーっと可愛くなっちゃった!!
長かった前髪はぁ、眉くらいで切り揃えられててちょこっとパッツンでぇ。
髪もかるーく梳いて前はシャギー入れたから内側にくるっとしてて、ちづちゃんのふんわり感が3割り増しになったかもぉ。
顔もよく見えるし、すっきりしてるねぇ。
前髪がなくなって気になるみたいで何度も鏡の前で髪を触ってるちづちゃんに、泰河は満足そう。
「どうだ?」
「サイコー!さっすが泰河ー!!」
「お前に聞いてねぇっつの。」
でも聞かなくても分かるよねぇ。
だってちづちゃん嬉しそうにふにゃって笑ったもん。
「…ありがとう。すごく、嬉しい…。」
うんうん、やっぱりちづちゃんは笑ってた方が可愛いよねぇ!
泰河も珍しくニッって笑って「おぅ。」って返事してたしぃ。
ちづちゃんの手を握ったらすこーし照れてたケドちっちゃく笑って握り返してくれんの。
それから何度もぺこぺこ頭下げて泰河にお礼行ってるちづちゃん可愛すぎぃ!
みんな、ちづちゃんの変身っぷりに驚いちゃっててちょーウケるー。
可愛いって言ってるヤツもいたケドぉ、ちづちゃんはオレのなのぉ。
絶対他のヤツになんてやらないよぉ?
その後トランプして遊んで、六時過ぎになっちゃったから車でちづちゃんを送ってあげたんだぁ。
家の場所も分かったし、明日の朝早く起きてお迎えに行ってあげちゃおーっと!Prev Novel top Next