はじめてきづいた
任務の後疲れて寝てしまった私は、翌朝起きてすぐに報告書を完成させて、ボスに提出した。朝の8時。今日は特に任務はないが、書類を片付けてしまわなければ。廊下を歩いていると、以前の上司とバッタリ会った。
「あり?なまえじゃん」
『ベルさん!』
おはようございます!と言うと、隣にいたフランさんがゲェッと言いたそうな顔をした。
「よくこんな堕王子に頭なんか下げますねー」
「るせーよカエルお前は黙ってろ」
ベルさんがフランさんにナイフを投げた。フランさんがゲロゲロっと鳴いた。
「お前スクアーロのとこいったんだろ?マジありえねー」
『はい。でも隊長のもとで働けるのもとても幸せです!』
「なんつーかやっぱりなまえは絵に描いたような健気っ子ですねー」
ミーだったら堕王子でもロン毛隊長でも御免ですと言うフランさん。私は笑う。
「お前いねーとめんどくせーこと増えるからヤなんだよなー」
『新しい幹部補佐イマイチなんですか?』
「男だから華がねーしお前より弱ぇし書類もお前の方綺麗だし」
まじありえねーとベルさんが口でへの字を描く。なんというか少し申し訳ない。
「なまえご飯食べましたー?」
『コーヒーだけ飲みましたけど』
「あ、なら一緒来いよ」
ベルさんに腕をつかまれる。まぁベルさんによく幹部のご飯にはお誘いいただいていたので、慣れっこである。あまりスクアーロ隊長とはお話していなかったのだが、ベルさんとよく任務が一緒になるフランさんやご飯を作ってくれるルッスーリアさんとはかなり仲は良くなった。それにルッスーリアさんの作るご飯は美味しいので、私は喜んで二人の後ろに着いていった。
「アラ!ベルちゃんにフランちゃんになまえちゃんじゃない!おはよう!」
ルッスーリアさんの声におはようございますと答える。今日はフレンチトーストよー!とフリフリのエプロンに小指をたてて微笑むルッスーリアさん。ウゲェッとベルさんとフランさんは顔を青くして、席についた。私も二人の間にお邪魔する。
「シナモンとかはお好みでね!」
すぐに出てくるフレンチトースト。そして紅茶。これぞヴァリアークオリティーである。ベルさんとフランさんと食べていると、その後すぐにスクアーロ隊長が来た。
『おはようございます。報告書は出しておきました』
「おおありがとなぁ」
スクアーロ隊長は甘いのがあまり好きじゃないのか普通のトーストを頼んでいた。ブラックコーヒーを片手に、私の隣に座る。
「スクアーロ、俺の部下とって俺の部下の隣に座るのやめろよ」
「別にどこに座ったっていいだろうがぁ。それにボスさんが決めたことだぞぉ」
「んなの知らねーよ。ありえねー」
俺の部下と交換しろだのとぶつぶつ文句を言っているベルさん。
「ふざけんなぁ!!やっと使える部下が来たのに1日2日で手放すかぁ!!!」
私の左に座るスクアーロ隊長と右に座るベルさんが口論をする。
「マジうぜー。サボテンにしてやるよ」
「上等だぁ!斬り刻んでやるぜぇ!!」
フランさんはどうぞご勝手に〜と蜂蜜をトーストにかけている。
「ベルちゃんもスクアーロも落ち着いて。なまえちゃん困るでしょう!」
ルッスーリアさんが二人の間に入る。
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