スクアーロ生誕祭201 | ナノ

品定め


スクアーロはなまえを品定めしていた。

今日の午前中にも示されたが、なまえはとにかく頭がキレるようだ。暗視ゴーグルなんて暗闇になれている人間だし自分は必要ないと思って持ってきていなかったが、正直相手がここまで準備しているとは思わなかった。なまえの暗視ゴーグルがなければ、任務失敗もありえた。準備もよく頭も回る。それに銃の腕も悪くねぇ。コイツはいい部下をもらったかもしれねぇと感じた。

でもその割に随分と線が細い。今日エスコートをしてみて、すごく思った。体術は見てねぇが、ナイフを使うにしろ銃を使うにしろ暗殺には基本体が第一だ。筋肉を使いそれなりの反射神経などがなければ、暗殺には向かない。それにたいしてなまえはあまりに細すぎるのだ。

改善点があるとすればもうちょっとウェイトを増やして簡単に飛ばされなさそうな体にすることだろうなぁなんて考えた。まぁ女だから仕方ねぇんだろうなぁ。

でも他は本当にいいとこばかりだ。ほかベルにナイフ投げられたことを除けば。

『今回の報告書は私が提出しておきますね』

「別に俺がやっておくぞぉ」

『いや!隊長はとりあえず机の上の書類やらないと!』

昨日の堅さもだんだん解けてきた。このくらいの方がずっと話しやすい。

「じゃ頼むぞぉ。さすがに今日は疲れたろうから明日の午前中くらいまでに出してもらえればいいからなぁ」

『はい!』

血に染まったドレスを身に纏い、俺に屈託のない笑顔を向けて頷くなまえに何だか可愛いと思ってしまったのはきっと任務後で疲れていたからなんだと俺は思った。でもこれからなまえとやっていくのはとても楽しみなようなそう心が浮かれているのは気のせいではないようだった。



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