はじめてきづいた
でも私の脳内はそんなこと気にしてる場合じゃなかった。使える部下。そうスクアーロ隊長が言ってくれた。それが嬉しくて仕方ない。
「おい大丈夫かぁ?」
スクアーロ隊長が私の肩をつかんで揺らす。
『あ、すいません』
思わずボーッとしてしまった。それほどに嬉しかった。
『次の任務ってどうだかとかわかりますか?』
「お前は今日は休みだ。昨日俺に付き合わせたからなぁ。俺は夜から任務だが『え!?じゃ私も行きます!』
スクアーロ隊長は目を丸くする。
「お前俺の話聞いてたかぁ?」
『はい!夜にまた任務なんですよね!私幹部補佐ですよ!?補佐できないじゃないですか!一緒にいないと!』
「まぁそうだがお前は昨日1日ずっと任務だったろうがぁ!」
『でもそれはスクアーロ隊長も一緒ですよ』
全く折れそうにないなまえ。スクアーロは、頭を抱える。
「お前書類は?」
『今からやります』
「終わんのかぁ?」
『終わらせます』
根性論で行くようだ。何だか連れていった方が早いような気がしてきたスクアーロは、仕方ねぇとなまえに承諾した。
『本当ですか!じゃ頑張って書類書き終えますから!あと今日の任務の書類も一応見せてください。目は通したいです』
「飯終わったらなぁ」
『はい。じゃ九時過ぎ頃に隊長の部屋に伺うのでその時下さい』
なまえはフレンチトーストを食べ終えた。そして、紅茶を飲んで朝御飯は終わり。
『ルッスーリアさんごちそうさまでした』
「はーい。片付けしてくれてありがとうね〜」
もう部屋を出ていこうとすると、ベルさんからえ?と言われた。
「お前もう出るの?」
『はい!書類仕上げないといけないので!』
その時の輝くような笑顔を見たら、さすがのベルも何も言えなかった。
『すみません!ごちそうさまでした!ベルさん、フランさん。またよかったら誘ってくださいね』
お先に失礼しますとドアを閉めたなまえ。小走りなのが足音が聞こえてわかる。
ベルはスクアーロの部下として一生懸命ななまえに納得がいかないようだ。
「てかなまえあんな感じなのかぁ?」
スクアーロが尋ねるも、無視。
「無視すんなぁ!!!」
「隊長うるさいですー」
「スクアーロうるせー」
ルッスーリアはごちゃごちゃと騒ぐ三人を見て、わかっていた。ベルが自分の部下だった子の今まで知らなかった笑顔を見れて少しモヤモヤしていることも、スクアーロにイラっとしていることも。フランもあんな顔するんですねーなんて、二人が中庭に出てから言っていた。(二人は喧嘩の延長で中庭へ)
なまえちゃんは、スクアーロのもとに行けたのが嬉しかったんでしょう。でもそれがベルちゃんは気に入らなくて。ベルちゃんはなまえちゃんがスクアーロに憧れていることを知っているからより気に食わなくて。
段々中庭から聞こえる音が大きくなってきた。ボスの堪忍袋の緒が切れる前に戦いを止めなきゃ、なんて思うのだけど結局止めきれずにボスが投げたグラスがスクアーロにヒットして無事戦いの幕を閉じたのはまた別の話である。
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