今日は何となくここに来た。“練習場”ちゃんと指導できたことと、“玉”の答えあわせをしたくて。
なんでかな?逢える気がしたの。


「って、無理かな?」

「なにがだ?」

「ひゃ!」


突然現れたのは待っていた奈良中忍。びっくりして変な声出ちゃった。恥ずかしい。というか、忍者として、


「ククッ、何度も後ろとられたらだめだろ?」


……全くそのとーりです。


「はは、」


待ってたとは言え、いざとなるとなかなか話せない。沈黙が続くけど、不思議と嫌ではない。


「奈良さん、「シカマル」え?」

「名前で読んでくれ。親父とかぶる」

「あ、分かりました。じゃあ、私もなまえと呼んでください。」

「なまえ」

「っ!はい!」

「ククッ」

「あ、」

「そんな返事しなくっても」

「つい、」


アカデミーでのクセで元気よく返事してしまった。シカマルが肩を震わして笑う。


「もう、そんなに笑いますか?」

「わり、」


涙まで出るなんてどれだけよ


「あ、シカマル。手裏剣術指導できたんです」

「へぇ」

「へぇ、ってそれだけですか?」


2つ返事が帰ってきたが。適当で視線は雲を追いかけてる。
すると、突然。雲を追いかけていた目が私を写す。


「てか、俺は初めからなまえは出来ると思ってたからな」

「え、ぁ、あ、ありがとうございます、」


いきなりの言葉にどもってしまう私。シカマルと言えば当たり前という表情。


「それより“玉”わかったかよ」

「“火の意思”かなって」

「間違ちゃいねーがちょっと違うな」

「ん?」

「火の意思を受け継ぐ子どもたちだ」

「!」

「すごい。受け継がれていくんですね!」


木の葉の里に、木の葉が舞う
火の意思が、火の意思を育てる

受け継いで、受け継がれていく

あなたから、私へ、あなたへ