快晴の大空の下で一人手裏剣を投げ続ける少女が1人。
「はぁはぁ、」
彼女の投げた手裏剣は8割的の真ん中を、2割はその周辺を射止めていた。腕前は上々といったところだろう。
「へー熱心だな」
「っ!」
「わり、びっくりさせたか?」
「いえ、」
集中してたとはいえ気配に気づかないなんてこれが戦場なら死んでたわね。と自傷気味に微笑む。
「あなたも練習ですか?」
「ん、あぁ」
「?」
「逆だ、休憩」
「へぇ、」
頭をがしがしとかき木の根もとに座り込む。てか、そんなとこで見られたら出来ないんだけど、
てか、視線が気になる。
「なに?」
「いや、見ない顔だなーってそれに、そんなに的のど真ん中当てれてんのになんで練習するんだ?」
「あぁ、」
あなたは知らなくても私は知ってるよ?奈良シカマル中忍。木の葉の策士さん。
「私は忍びの才が足りないからね。アカデミーの先生してるの」
「ふーん」
「はぁ」
どうやったら手裏剣術は生徒に分かりやすく教えれるのだろう?もう、何百回もしてると体が覚えている。が、初めての時はどうしてたんだっけ?
「才能あるよ、」
「え?」
「さっき、あんた才能がないからアカデミーの先生してるって言ってたろ?逆だろ?
教える才能があんたにあるからアカデミーの先生ができるんだよ。人に教えるには自分が出来てないと教えれねーからな」
「えっと」
奈良さんってこんなに話す人なんだ。才能がないからなんて確かに教えてる生徒に失礼だ。
「それに、」
「っ!」
突然投げられた物を受けとるとそれは石
石には何か刻まれていた。
「玉?」
「それさ、将棋の一番の駒な?」
将棋はさせないけど、駒くらいなら知ってる。黙って頷いておく。
「俺の先生がさ、玉について教えてくれたんだ」
猿飛アスマ上忍。三代目の息子で以前の暁との対戦で殉職されたときいている。猿飛上忍の息子さんが今請け負いの生徒なわけでもある。
「なんなの?」
手の中の石を遊ばせながら聞いてみる。
「俺も初めは分かんなかった。てか、俺にはその時はなかったんだ。」
「どういうっ!」
強い風が吹き抜ける。
思わず綴じた瞼を開くといない奈良さん。
(最後に風に紛れて次あったとき答え合わせな?って聞こえた気がした。)
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