01

ガヤガヤと賑やかな教室。
…あれ?夢?
木の葉とか忍者とか…シカマルって夢だったのかぁと胸を撫で下ろす。もう少し、夢を見ときたかった。休み時間の教室は、早弁してる生徒、トランプをしてる生徒、語り合ってる生徒でごった返していた。


「なまえ…!」

「へ、」

「もぅ、さっきの授業全部寝てたでしょ!」

「…えりちゃん?」

「?、ちょっとーまだ、寝ぼけてんの?」


仲良しのえりちゃん。いつも私の隣に居てくれる。


「次は移動教室だよ!早くいこっ」

「うん」


嬉しい、えりちゃんと一緒にいれる。家族なんて知らない。一人ぼっちだった私、えりちゃんが居なきゃ真っ暗な世界だった。
私はこの他愛ない日常を覚えている。えりちゃんが此処で眼鏡ケースを落とす。

ガシャ

緩やかなカーブの掛かったケースと眼鏡がバラバラに廊下に落ちる。


「…もぅ、丸っこいケースだから落とすんだよ!」

「へへ、ありがとありがと」

「、!」

「?なまえ…?」


えりの手に触れると、眼鏡を持ったまま動かないなまえ。


「なまえ?」



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