03

「あ、」


一つの店の前でいのが立ち止まる。そこは、忍び達の忍具や忍装束がたくさん売っている忍者なら知らない人はいないという有名な店。


「……」


そういえば、前回の任務で大分忍具を使ってしまったことをいのは思い出した。


「ごめんね、少し寄ってもいい?」

「うん。もちろん、私も興味あるし」


店の中は凄かった。
この世界に来て、“凄い”の連続。

手裏剣
クナイ

まきびし
防具
人形
巻物

薬物
そして、様々な忍び服


「わぁー」


本で見たことあるものや初めて目にするもの。刃が付いた武器は、鋭く光を反射している。煙玉などの火薬の匂い。凄い、忍者って…


「お待たせ、…なまえ?」


店の端にある忍び服に私は何故か目がはなせない。


「いの、これ」

「初めて見るわね」

「ある一族の忍装束じゃよ」


知らない間に隣には、店のおじさんが……
おじさんは懐かしそうに語り始めた。

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