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補習授業は順調です。まあ、俺は天才だからね!
部活も三年引退して人数減ったけど、練習は何ら変わりなく。

ナマエと二人、部活の帰り道。

「ナマエ〜」
「なあに」
「来週、祭りあんの知ってっかー」
「うん、知ってるよ」
「ありゃ知ってたや。一緒に行くべー!」

並んで歩いていたナマエが一瞬遅れた。

「ん?なした?」

少し気まずそうな顔をした後。

「ごめんね、一緒に行く人いるんだ」
「あ、そうだったのかい!んじゃあ、仕方ないべっ」
「ごめんね。昨日言ってくれれば、豹と行ってたのに」
「いーのいーの!」

お土産買ってくるから、とナマエが言った。

「ところで、誰と一緒に行くんさね?」
「んー?ハセガワ先輩」
「…へ」

ナマエを見た。ナマエも俺の方を見ていた。

「誘われたのかい?」
「うん」
「…ふぅん。」
「…どうかした?豹」
「なんでもねっ」

うーん、なんだろう。
心臓あたりがモヤモヤする、なんだこれ。

「りんご飴、一回食べてみたかったんだ」
「……」
「豹には大っきいの買ってくるね」
「…あー」
「お父さんとお母さんには、焼きそばかたこ焼きがいいかなぁ」
「……」
「どっちがいいかな……豹聞いてる?」
「あー、あ、うん。聞いてる聞いてる。焼きそばが良いと思いマス」
「じゃありんご飴一個と、焼きそば二つだね」

うーん、とりあえず。

「あ、じゃがバタも食べようかな。二個持ち帰りにして、豹と食べようかな!」

ハセガワすっげーうぜー。

12.07.09