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ナマエは出れるか分からねぇって言ってたけど、あいつは絶対出るべや。
普通に考えりゃ分かる。実力は既にレギュラーメンバーと比べてもズバ抜けて上手い。
俺が言うんだから間違いねぇべや。
「2ピリメンバー変えてくぞ。 ミョウジ、出なさい」
ほら言ったべや。
ナマエ、練習でやってるゲームの時より断然いい動きする。
パスもドンピシャだけど、今日はシュートがよく入るな〜。
「ナマエちゃん、上手いな」
「……」
「ミニバスやってたんだろ?お前も、ナマエちゃんも」
「…まぁ」
あんたかいハセガワ。
両腕を組んで、俺の隣に立ってるハセガワはナマエのプレーを真剣に眺めている。
「上手いもんだよなあ」
「……」
「それにしてもナマエちゃんカワイイな」
「…それ関係あんの?」
「俺も、お前に負けないように頑張らないとなー」
ハセガワが独り言のように訳の分からないことを呟いている。
そして散々意味深なセリフを残して「俺先上に行ってるわ、結果教えてくれよ」と体育館の出口へ歩いて行った。
なんだったんだ?
「ナイッシュウ!!」
「今のパス良かったよ、ミョウジさん!」
「ありがとうございますっ!」
けっきょくナマエも最後まで試合に出ていて、俺もそれを最後まで眺めていた。
結果、一度も押されることなくナマエたちが勝った。
まあ一応、ハセガワに伝えとくかー。