▼キスの日@
「なまえ、今日はキスの日なんだって」
「へぇ、そう。その広げてる腕はなんなの?」
「キスしよう」
「出てって」
こっちはレポート締め切りが近いんだからと一蹴すると、突拍子もなくお部屋訪問してきて尚且つ突拍子もない要求をしてきたドナテロはため息をつきながらなぜか私の座る机の横までやってきた。
チラリとだけ視線を向けて、再びパソコンに移す。文字を早く打てとばかりに点滅するWordが忌々しくて、それなのに横でじっと見つめてくる視線も鬱陶しくて、ああもう!と頭を抱えて隣を睨み付ける。そんな視線も気にせず、ニンマリと笑ったドナテロの腕がにゅっと私の頭を捉えた。
ちゅっという軽快な音。多分、わざと意識させるように出したんだと思う。図らずともカッと熱くなる私の顔を見て、ドナテロは満足そうにぺろりと舌を出してアピールをした。
「!?」
「ゴチソウサマ。ダメって言っても僕からするから」
「ばっ!ばか!!ドナテロのバカ!!!」
ひっぱたこうと振り上げた手は簡単に掴まれて、もう一度頬っぺたに口を寄せられた。
150523