03-2





「…というわけなのだ!」
「………うぇ?」



私が過去の記憶へと軽くトリップしている間に、どうやらリューイとの関係を説明し終えたらしい。

どうだといわんばかりの自慢気な顔でいきなり私の顔をのぞきこまれ、私の意識は唐突に現実へと引き戻された。



「それにしても、この状態で我が輩の姿を見ることができる者はそうそういないぞ。おまえには、よっぽど強い絆がファータとの間で結ばれているのだな!」
「絆…」
「昔、ファータの命を助けたことでもあるのか?」
「助ける…?」



そんな経験はないはずだ。
だってアノ子は突然現れて、自己紹介して、私たちの名前聞いて、それで…。
あぁ、なんかちょっとデジャヴ。
もしかしてファータって、どいつもこいつも突然現れては勝手に自己紹介していくやつらなわけ…?


質問に答えようと再び記憶をたどり始めて早々に思考が脱線した私は、途中で考えるのを諦め、そんなことはない、とリリに答えた。



「う〜む、では他に何らかの原因があるわけだな。……………ま、いいか。」
「え、いいんだ?」
「おまえの名前はなんというのだ?さっきは聞きそびれてしまったからな。今度は教えてもらうぞ。」



自分が見える原因を探るのに飽きたのか、はたまた考えることを放棄したのか。
少しの沈黙のあと自己完結させたリリは、再度私の名前を聞いてきた。








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