繋ぐということ

音駒 24 【2】23 烏野

音駒マッチポイント


現在のローテーション

FL 日向 犬岡
FC 澤村 山本
FR 東峰 海
BL 田中 孤爪
BC 影山 福永
BR 北来(西谷) 黒尾(夜久)

ブロックの要であるMBを100%引き付け、且つMBを躱して得点できる可能性のある日向と
現在単体での攻撃力では烏野トップの東峰
その両方が前衛にいる今がおそらく烏野最強のローテーション。

そして次の回りでのローテーションに回せば、
音駒の熟練した攻撃に引けを取らない、東峰・澤村・北来の三枚のカードを選べる。
さらに東峰・西谷・北来と、守りが最も硬いところ。

このローテが、勝利まで運ぶ最大のチャンス!

「ここが正念場・・・ですね」

日向を囮にレフトから打たれた東峰のスパイク。リベロ・夜久が拾い、余裕ある山なりで烏野コートへ帰ってくる。
「かえってくる!チャンスボールだ!」
「くそっ!スマン!」

「東峰!ダイレクトだ!」
「叩け!旭!!」
「やべっ!」
「おおっっ!!」
グアッと振りかぶった腕から放たれる強打。しなやかな福永のレシーブ。

「ああ!またチャンスボール!」
「____それでいい。

不恰好でも、攻撃の形にできなくても

ボールを繋いで限りは、負けないんだ」

一方的に殴ってくださいと言うように音駒から烏野へ返球される。影山が次に選ぶカードは____

______日向の、この感じ
土壇場での圧倒的存在感

『ここに居る』『ここに持ってこい』と

呼んでいる




ボッ!!!!

「ナイス日向!」

すんでのところでコースを変えた日向。誰もいない床に叩きつけられるかと思われた、ボール。

しかし音駒のリベロは、只者ではない。夜久衛輔は、そのボールさえ手を、体を間に合わせる。

しかし返したボールは低空飛行。音駒ネットにぶつかり、音駒WS海も返球しきれずコートに着く、

「やったっ!!!」


皆がそう思った。_____そんな簡単に、行くはずがなかった。

猫。しなやかな、その動き。
働くのは血液だけではない。血液に、回った酸素に動かされて、『脳』が。その思い腰を上げる。

「___強いスパイクを打てる方が

勝つんじゃあないんだ」



どッッ!!!


「ヤバイ!下がれ下がれ!」


「間に合え!!ゆうッッ!!!」



スパイクのように放たれた孤爪研磨のレシーブ。
彼らの判断は間に合わない。守護神は口をあんぐりと開けて宙まうボールを眺めた。


「ボールを落とした方が、負けるんだ」







ストッ________________








「これが、『繋ぐ』ということだ」




音駒 25【2】23 烏野

『試合終了』


29.8.29

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