電柱野郎

敗北は、いつも俺の目前に見える。


飛び込んだ先、静かに床に付く後悔。



「クソッッッ!!!!」


セットカウント 2-0 勝者:音駒高校



「ウチにしてはミスも少なかったし、強力な武器はキッチリ機能してた

でも負けた。

あれが個人じゃなく、『チームとして鍛えられたチーム』なんだろうな」



その後も、二試合連続 烏野の完敗に終わる。

「しゅうごーーーーう!!!」
「「「「ハイ!!!」」」」

「お願いシャス!!!」


「_______正直、予想以上の実力だった。

特に攻撃 9番と10番の速攻、止められるやつはそうそう出てこないだろう
レフト2人のパワーも強力な武器だと思う

あとは、いかに攻撃へ繋ぐのか、だな」

「ハイ!!!」

「とは言え、君らはチームとして荒削りだし練習不足。でも______

圧倒的潜在能力。練習しだいで相当強くなれるだろう。

全国大会で会おう」

「あざす!」「あざーす!!!」















「____陽」
「はい」
「試合中、余計なこと言ってスマン!」

「_____は?黒尾さん、今更何言ってんすか。いつもデショ?余計なこと言うのは」
「ハァ!?陽!てめっ!俺はいつも善人だっつの!!」
「ヘイヘイ。

_______まあでも、LINEとか、電話とか。相談乗ってくれてありがとうござっした。
今日の喝も、気合い入れ直せました。

全国、行きますから」

「ああ。そうしろ。待ってるぞ」
「_____は?まだ梟谷も倒してないのに待ってるぞ?アレ?ひょっとして余裕すか?オレサマ向かうところ敵なし?
よっ!ビッグマーウス!!」

「うるぜえええええええ!!」









「凄かったぜショーヨー!
ギュン ブワッ っつって!
あっ俺犬岡!1年!」

「お前もでかいのにズバッって!
○*+$で、☆%#>!!」

「〒&→!」「@【 ○々〆!!」

「・・・なんだあの会話」













ズォォォォオン


「ヒッ・・・・!!!ご、ごめんなさい!」
「あっ、スミマセン!」

支柱を片付けようとする1年リベロ・芝山優生に、東峰が話しかける。

「支柱もちましょうか?」
「あっ、スミマセン俺モタモタしててっ」
「えっ!いや、スミマセン・・・」

「あのヒゲチョコ(ヒゲのヘナチョコ)・・・1年が怖がってんじゃねーか!!」


「あ、こっから見ると親子みたいに見えますねぇ」
「俺には誘拐犯に見えます」











「・・・・・」
「夕、お前がいけよ」
「・・・・・」
「おまっ、いけって!」





「あの・・スゲー見られてんすけど」
「すんません・・・目 合わせないようにしてもらえれば大丈夫だと思_」

「3番さんのレシーブ、凄かったっす」

「うわ、背後・・・!」
「ばか!夜久さんっつんだよ!すんません!夜久さん!!」



「うちのエースのスパイク、あんなにちゃんと拾える人初めて見ました。
あんだけ全員レシーブのレベルが高いチームで、リベロの座にいる実力。
やっぱスゲェと思いました。

俺も負けないっす!失礼します!!」

「あっこら、そんな一方的に・・」
「おい夕!!あの、・・・・夜久さん?」

「陽。誰だ、アイツ」
「西谷って、いう__」

「彼だって相当レベルの高いリベロなのに

慢心するどころかひたすら上だけを見てる・・・怖いな」

「アイツのアレはもう、バレー習いたてのころからずっと、すよ」
「そうなのか。

あ、陽。そういや猫又監督がお前のこと電柱野郎って言ってたぞ」
「ぶえっ!?猫又監督が!?ひでぇ!」

「あとな、お前。

戦い方変えた方がいいってさ」

「はあ、戦い方?」


「今日黒尾に本当にそれでいいのか、って言われたことと、何かカンケーあんじゃねぇの?心当たりは?」

「ゼロ。俺は今日手抜きマンから卒業したタッセイカンでイッパイっすから」

「はぁ・・・お前は全く。

俺はこう思った、って程度だけど。

お前が烏野で100%活かされる瞬間が来るとしたら______」






「あの電柱野郎は、MBに置かない方がいい」





29.8.29

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