くろあか | ナノ

 六話 夢



一人で朝ごはんを食べることが多かった
学校では友達がいたから寂しくなかった

一人で晩ごはんを食べることも多かった
夜は一人のことが多くて寂しかった。

この世界にきて一人ぼっちになったのに
前より寂しくないのは不思議だった。




「ん…」

…寒い…朝?

冷たい冷気に小さく震える。
朝は気温が下がっていて最近は寒い。

眠気が襲ってきたので素直に二度寝しようともぞもぞ布団に潜る。二度寝のお布団の中ほど幸せなものはないと思う。

学校がないから毎日が日曜日だしあ!ちゃんと文字とか地理の勉強もしてますよ!念の修行だってちゃんとやってます。

と、なんとなく覚めてきた頭で考える。

もぞもぞと布団を手繰りよせて
起きるかもうちょっと寝るかを悩む。

…贅沢な悩みだよなあ…。

こんなんでいいのかなーと思いながら
布団に顔を埋める。…ん?なんか硬い…

「朝から積極的だね、ゆあ◆」
「んえ…な?!」

顔を上げるとそこにはすっぴんのヒソカさん。
ドアップ。超アップ。ウルトラ近い。

よーし、落ち着けわたしー

「っなにしてるんですか?!」

はい、無理でしたごめんなさい。

「おはよう◆」
「あ、おはようございま…ってちがーう!!」
「ん?」
「ん?じゃないです!ヒソカさんなんでベッドにいるんですかっ?!ソファーで寝るからベッド使っていいよって昨日譲ってくれてましたよね?!」

朝から元気だね◆なんて笑いながら
なぜか腰に手をまわしてくる。

…え?ちょっとナンデスカコノ状況?

うーうん?
ああなるほど夢?
そっかそっか二度寝したし…

夢ならいっかあ。イケメン抱き枕とか現実では一生できないだろうし楽しんでおこう!というわけで布団に潜りなおした。

「ん?あれ怒らないの?」
「これは夢ですーだからいいんですー」
「(寝ぼけてる◆)」
「ヒソカさん今日はお仕事?」
「うん◆…淋しいかい?」
「ん…ちょっと…」
「(あれ素直だ、可愛い◆)」

夢というのもあるしちょっとウトウトしてきたので適当にしゃべる。ヒソカさんお仕事かーんー今日はずっと勉強と念の修行かなー

「なるべく早めに帰るよ」
「ん…お仕事がんばってください…」
「あんまり寝てばっかりはよくないからね◆」
「はい…お昼には、起きますー」
「ん◆いってきます」
「…いって、らっしゃい」

頭を撫でられる。

もう撫でられることに
抵抗もなくなってきている自分がいて
気を許しすぎかなーとも考えたが
結局頼れるのはヒソカさんしかいないし…

とここまで考えて諦めた。いまは眠い…

そのまま意識を手放した。


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