■ パピーにご挨拶

※政宗目線
















正直に言えば、まだ疑っている。


佐和が嘘をついているなんざ思っちゃいねぇ。だが、いきなり言われて信じろというほうが無理だ。


松永に瓜二つのこの男が、佐和の父親だなんて。



「…先程は失礼しました」



小十郎が向かい側に座る佐和の父親──秀久に頭を下げる。


近くにいたやつは小十郎が明らかに嫌悪感を剥き出しにしていたことが分かるだろう。


それも当然。頭では松永ではないと理解していても、鏡に映したかのように似ている男に頭を下げるなど、特に松永を嫌っている小十郎にとっちゃ屈辱の極みだ。



「否、連絡も入れずに突然来た此方にも非がある故…しかし、時空を越え戦国時代からやって来た名だたる武将達とは、実に奇っ怪な」


「だよね、私もはじめびっくりしたもん」


「更にそのような者々が佐和と共に住んでいたとは。苛烈、苛烈」



おい、頼むからその顔で苛烈とか言うな。小十郎が怒気を抑えきれなくなる。



「…失礼ながら、秀久殿は本当に佐和殿のお父上なのでござりますか?」



いい質問だ、真田。切り出しにくいこの状況で何の迷いもなく先陣切るたぁ、流石空気読まず…いや、俺のrivalだ。



「ふむ、何故そう思うのかね?」


「あ、その……あまりにも似ておられないので…」


「無理もない。佐和は母親……我が妻に似ているのでな」


「母親…」



そう言われると気になるな、佐和によく似た母親か…


考え込んでいると、livingのdoorが開き、大判の本を抱えた佐和が入ってきた。おい、いつの間に部屋から出てたんだお前は。



「おや佐和、それは…」


「アルバム!!論より証拠、でしょ?皆見てみてー」



佐和はアルバムと呼ばれた大判の本をtableの上に広げる。


俺達は、それを除き込んだ。





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