あたしは4歳の頃"個性"が誕生した
それは大いに両親を喜ばせた

「颯奏ちゃんの個性は目苅ちゃんの石化かー。」
「ふふ、女の子ですもの。私に似るのは当然よ。ねえ颯奏」
「うん!ママだいすき!」

ふとした瞬間に目の前にあるコップが石化したのだ。
瞬きをすればオレンジジュースの入ったコップに戻ってしまった。

毎日が楽しかった。
大好きな両親とずっと生活していく。
大好きな友達と遊んで暮らす。
これがずっと続くのかと思っていた。

「……なんで、」

五歳の誕生日のお祝いだ。
楽しいはずなのに、なんでこうなったんだろうか
直接触れたものが砂のように崩れていく

「ふ、うか…ちゃん……」
「その、個性は…なに…?」

母の片腕は風化して無くなった。
父の片足は風化して無くなった。

父と母は恐ろしい目で見つめてくる

「ぱぱ、まま」

二人を見つめれば石のように動かなくなってしまう。
パニックを起こした子供は両親に縋るように助けを求め、手を伸ばす。
恐怖に染まったふたりは子供を拒絶する

「それ以上近寄っちゃダメ!」
「こわい、こわいよっ…!まま、ぱぱ…!」
「颯奏、石化を解いて!はやく!!」
「たすけて、」

小さいもみじの手が両親の顔に触れた
白い瞳が黒に変わったが二人の顔は崩れ落ち、肉体共々砂になってしまった

「あ、…、ああぁぁああああああァっ!!!!」

突然いなくなった、大好きな両親がいなくなった、砂になってしまった、
必死に両親だった砂をかき集め泣きじゃくり、家中のものが石化する

「うわァアああああん!!!!」

個性の暴走により、建物は崩壊し、たちまちニュースになった
齢5歳にしてすべてを消し去ってしまったのだ

「ああ、蛇目さんの子供でしょ?」
「可哀想よね」
「誰が引き取るんだ?俺は嫌だぞ。石化と破壊の子なんていくらなんでも俺らまで危害を及ぼす」
「でもまだ5歳なのよ?」
「施設いきだろう。どの親戚も毛嫌いしているし」
「人殺しの個性なんて不気味よ」

検査の結果、両親から受け継がれた石化と隔世遺伝で生まれた破壊
大人たちによってたらい回しにされ、中学卒業まで施設に入れられた

「……雄英学園、」

個性を持った生徒たちがプロのヒーローになるべく3年間を過ごす
黒い手袋で覆われた両手をギュッと握り締めその一歩を踏み出した



蛇目 颯奏(へびめ ふうか)
ヒーロー科1年A組
個性 石化・破壊
好きなもの 杏仁豆腐

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