帝光を卒業して、新たな道へ進む春
「…金だけはかけてるんだなぁ、立海大」
大きくそびえ立つ堂々としてる校舎
新一年生が多いのかきゃいきゃいしてる生徒が多い
その人ごみに紛れるように校内へ入り、教室に着いた
かったるい入学式を終えて、すぐ帰りたかったが自己紹介しろと担任が言ったのだ
「(…めんどくさい)」
しかもここの生徒の殆どが繰り上がってるはずだ
このまま帰ってストバスしようかと思ってたのに
「次ー」
「…帝光中出身 小鳥遊 玲依(タカナシ レイ)バスケ部でした」
帝光と聞いて周囲の人間がザワザワと騒がしい
キセキの世代とか女バスとかマネージャーとか話が膨らんでる
だるい入学式が終わって初日から授業中をさぼるつもりだ
屋上に逃げて暇つぶしの相手に連絡する
《玲依っち!久しぶりっす!!》
キーキー煩い大型犬の様に声を張り上げる
《もうどこの高校か教えてもらってないっすよ!!玲依っちを誘って海常に行こうと考えてたのに!!!どこの高校なんすか?やっぱバスケの強豪こ》
「立海大附属高等学校」
涼太の言葉を遮って高校名を言えば、パタリと雑音が止まった
《…えっと、もう一回イイっすか?》
「立海大附属高等学校」
《あ、あ…あんた馬鹿っすか?!立海のバスケなんて地区レベルの弱小校っすよ!!?》
「………え?それガチネタ?」
地区レベルの弱小校
確かに推薦で行く時は色んな強豪校からスカウトが来て立海も強豪だと思ってた
しかもここの学食がうまかったのが決定打だ
《…玲依っち、まさか学食とかで選んだっすね!!?》
「うん、あそこのDX パフェが美味かった」
電話越しから大きな溜息が聞こえた
やっぱり。なんて呆れてる声もばっちり聞こえたぞ
「弱小、ねぇ……学校なんてどこも一緒よ」
《玲依っち…》」
しかも女バスなんてたかが知れてる
「あたしに勝てる女バスなんて誰もいない」
こんなつまんない世界なんてどこも一緒だ
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