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空腹


川のほとり。釣りに来ていたラグナと○はぼーっと空を眺めていた。魚が釣れないのである。

川の水がかからない、適当な場所に腰を掛けて竿を握っていたまま一時間。疑似餌を先につけた糸を川の中に垂らしてはいるが、ただひたすら待つだけの二人はすでに釣りに飽きていた。

「腹へったなぁ、○くん」
「そうだな」
「しかしここまで釣れないとなるとつまんねぇよなあ」
「あぁ」

釣り竿を揺らしながら唇を尖らすラグナ。完全に不貞腐れている。空腹と退屈でたまらないようだった。一方、○は無表情で魚を待ち続ける。どんなに飽きてきても食料を手に入れられないのは死活問題だからだ。

「…この近辺に動物っていたか?」
「○くん野性的だね…肉も食べたいけど、ここらへんはイミテーションしかでねぇよ」

ぐー。

「「…」」

「イミテーションって食えんのかな…」
「やめろ」
「いっそ挑戦してみちゃう?」
「やめろ」



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