考えるきっかけみたいな。





「お疲れさまでーす!今日は遅刻しませんでしたー!」

「それが当たり前なんだよ!」

部活のため、体育館に入る。

「さぁ始めるぞ、週末は練習試合だ」

「「「はい」」」

笠松先輩の声に、部員が振り返った。
引き締まった空気になる。

あぁこの感じいいな。
一体感が生まれる。

私も頑張りますか!
(遅刻はするけど、部活は真面目だよ)



「解散!」

その言葉で部員は散った。

「疲れたー」

独り言を言いながら歩く私。

「名前」

呼ばれた自分の名前。
振り返ると

「森山先輩」

なんだかよく分からないけど変な先輩、つまり森山先輩がいた。

「オレは変なのか…」

「うわー!すいません!嘘っす!」
(また声に出た!)


「ところで」

森山先輩が話を切り出す。

「あぁ、何ですか?」

「最近、笠松となんかあったのか?」

「…はい?」

笠松先輩と?
なんか?
あったっけぇー?
怒られるのは毎日だし。
強いて言うなら勉強教えてもらったくらい?

「そうか」

口に出て伝わったようです。


「なんでそんなこと聞くんですか?」

「いや、最近名前が笠松をよく見てるからさ」

「…はい?」

「自覚ないのか?」

「んんー…あるようなないような」

見てるっけ?
でも確かに気にはなってたかも…。
よく分かんない。
(あ、これは声に出ませんでした。)


「ならオレの勘違いかもな!」

なんかあって、名前が悩んでるならと思っただけだ、と森山先輩は言う。

先輩優しいな…。

「全然悩んでないですよーっ」

笠松先輩を見てるのかなぁと考えてもやもやしたが、私は元気に返事をし、お礼を言った。

「ご心配ありがとうございます!」



「いや、いいんだ。それより今度の試合、可愛い女の子を連れて来てくれ」

「…絶対それが本題だろ!」






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101022

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