こういう日もあるよね。 ジリリリリリ! 「んぁ…?」 目覚ましが鳴り、珍しくすぐに目が覚めた。 「あーなんか清々しいや」 ぐっと伸びをして起きる。 勢い良くベッドから飛び降り、朝ご飯。 「亀吉いってきまーす」 いつもよりかなり早く家を出た。 今日は遅刻しなくて済みそう! 「おはよう名前!」 「おはよー!」 「おっ今日は早いな!」 「黙れ早川」 「なぜっ!?」 先生にも褒められ、いい気分で授業を受けた。 早起き最高! そして昼休みの後。 数学の授業。 実はこれが私の最大の敵であったりする…。 「……………………」 「そしてタンジェントが…」 いかん…。 眠い!! 早起きのせいもあるのか、いつもの何倍も眠い。 必死に瞼を開けようとも、なかなか睡魔は手強い。 「………名字!」 「ひゃいっ!」 「お前寝てただろ!」 「ね、寝てましぇん!」 「じゃあ今先生が言ったことを繰り返してみろ」 「えー…x、たす、y」 「よーし、この後職員室」 「えぇぇえぇえぇぇ!」 「ほら」 ドサッと渡されたプリントの束。 「ちぇ、ちぇんちぇい…コレは…?」 「ん?課題だ」 にっこり笑って言うゴリラ、否、先生。 笑顔が憎い。 「期限は一週間だ」 まぁせいぜい頑張れよと手をひらひら振られる。 叩きつけたい気持ちを抑え、プリントを握りしめて、職員室を出た。 「失礼しましたーっ」 叫ぶように告げると、廊下を走る。 (廊下は走らないなんて小学生で卒業したぜ!) 「お疲れ様でーす…」 昨日と同じく、落ち込みながら体育館に入る。 「名前先輩!大丈夫ッスか?」 「ふぇ?」 黄瀬くんが心配そうに近寄ってきた。 「早川先輩から聞いたッス、呼び出されてたって…」 「早川コロス…」 「怒られたんスか?」 子犬のような瞳で見つめられる。 ちくしょう可愛いぜ! 「大丈夫。課題だけだか……って」 ハッとする。 「どうしたんスか?」 「この話、誰が知ってる?」 「あ、部員みんな知ってるっス!」 「早川あああああ」 全員ってことは! 全員ってことは! 笠松先輩も… 「名字…」 「ひぃっ」 もう声で分かります。 今私の後ろでオーラを放つお方は…。 「聞いたぞー…」 「あばばばばばば」 「何やってんだバカ野郎ー!」 「うぎゃああああ!」 笠松先輩が追ってくるので、必死に体育館を逃げる私。 まぁすぐ捕まるんだけどね! それで拳骨浴びるんだけどね! 「で、呼び出されてどうなった」 「一週間期限でたくさんの課題を戴きました」 「出来そうか?」 「……あはっ」 「…出来ねぇんだな」 「…すみまちぇん」 だってあんなにたくさんだよ? しかも苦手な数学だよ? 解答貰ってないから写せないよ? 「仕方ねぇ。土曜日家に来い」 「はい?」 あ、幻聴聞こえちゃった〜。 疲れてるのかな? 帰ったら早く寝よっと。 「声に出てんぞ」 「あらま」 「手伝ってやる」 「マジか」 「文句あるのか?」 「いえ!滅相もない!」 私は首を横にブンブン振った。 でも先輩に教えてもらうなんて…。 なんか怖い。 「先輩!オレも行きたいッス!」 「なんでお前まで来るんだよ!」 「いてっ!だってオレも土曜日暇なんスよ!」 「知らねーよ!」 バシバシ叩かれる黄瀬くんは、本当にかわいそうだと思う。 私の次に。 「でも、女の子1人連れ込むなんて怪しまれるッスよ」 「はぁっ?」 「だからオレがいればおかしくないッス」 「…そうだな」 「……………」 そんな感じで、土曜日の部活後は、笠松主将のお家にお邪魔することになった。 黄瀬くんと共に…。 「黄瀬くんっおやつ何持ってこうか」 「そッスねー…」 「あっバナナはおやつに入るかな!?」 「入るッス!」 「てめぇら遊びじゃねーんだぞ!」 「「い、痛いッス!」」 (口調移った) ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 100913 ←*→ |