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どんな場所でも好奇な視線に晒されるのだ、リリルクは。
いい意味でも悪い意味でも。
「わーん、待って下さいーししょー」
リリルクの後をパタパタと音をたてて、泣きながらついてくる少年。
キラキラと、薄いハニーブラウンの髪は日に当たりさらりと揺れる。
大きな鞄を携え、あわあわと落ち着くなく走る様は見ていてとても不安になってくる。
クールなリリルクとは真逆の、いかにも子供で明るいその少年。
リリルクはその少年の呼び声にはぁ、とため息を零し、歩みを止めた。
「クリス…」
「はぁはぁ…、あ、お待たせしました、おししょー様」
少年はリリルクにむかって、ニパッと太陽のような明るい笑顔で笑う。
あどけないその子供のような笑み。
大きな濡れた瞳は長い睫毛で縁取られ、頬を紅潮させ息を弾ませている。
幼さが残るその顔は、まるで小動物のように愛らしい。
小さな、桜色の唇はぷっくら膨らんでおり、はぁはぁ、と荒い息を零している。
少し…甘い吐息に聞こえるのは…不埒な考えが頭にこびりついているからだろうか。
「…ししょー?」
上目遣いでこちらを伺う少年。
その顔は計算されたものなのか…。それとも天然か…。
誘われているような気がしなくもない。
いや、この少年に限って『誘う』などと高等技術が使えるハズがないから、やはり天然でやっているんだろうけど…。
「…すまない…」
リリルクは、眼鏡のブリッジを中指で押し上げながら小さく謝罪する。
「ふぇ?あっ…」
少年はキョトン…と無垢な顔をしながら首を傾げた…。
「…」
リリルクはそんな純粋無垢な瞳で見つめる<弟子>に、ひとつわざとらしく咳ばらいをし…
「いくぞ…」
先を促した。
「は〜い、ししょー」
少年は元気よく返事をして、スタスタと歩くリリルクの後ろについて歩いた。
いい意味でも悪い意味でも。
「わーん、待って下さいーししょー」
リリルクの後をパタパタと音をたてて、泣きながらついてくる少年。
キラキラと、薄いハニーブラウンの髪は日に当たりさらりと揺れる。
大きな鞄を携え、あわあわと落ち着くなく走る様は見ていてとても不安になってくる。
クールなリリルクとは真逆の、いかにも子供で明るいその少年。
リリルクはその少年の呼び声にはぁ、とため息を零し、歩みを止めた。
「クリス…」
「はぁはぁ…、あ、お待たせしました、おししょー様」
少年はリリルクにむかって、ニパッと太陽のような明るい笑顔で笑う。
あどけないその子供のような笑み。
大きな濡れた瞳は長い睫毛で縁取られ、頬を紅潮させ息を弾ませている。
幼さが残るその顔は、まるで小動物のように愛らしい。
小さな、桜色の唇はぷっくら膨らんでおり、はぁはぁ、と荒い息を零している。
少し…甘い吐息に聞こえるのは…不埒な考えが頭にこびりついているからだろうか。
「…ししょー?」
上目遣いでこちらを伺う少年。
その顔は計算されたものなのか…。それとも天然か…。
誘われているような気がしなくもない。
いや、この少年に限って『誘う』などと高等技術が使えるハズがないから、やはり天然でやっているんだろうけど…。
「…すまない…」
リリルクは、眼鏡のブリッジを中指で押し上げながら小さく謝罪する。
「ふぇ?あっ…」
少年はキョトン…と無垢な顔をしながら首を傾げた…。
「…」
リリルクはそんな純粋無垢な瞳で見つめる<弟子>に、ひとつわざとらしく咳ばらいをし…
「いくぞ…」
先を促した。
「は〜い、ししょー」
少年は元気よく返事をして、スタスタと歩くリリルクの後ろについて歩いた。