好きの反対

アンチ×芸能人(×アンチ)
アンチ、荒らし行為を推奨してる訳ではありません。
※天敵企画様で書いた話です。



 最初は俺の好きな地下アイドルと噂になったから、そいつの本スレを荒らしたのが始まり。
今かけだしのバンド、そのギター。どことなく垂れ目が少年らしさを感じさせるのに、ギターに絡む指先が反面いやらしい、そんな耳と目をひくやつで、何処か気にくわなくてアンチが習慣化していった。
噂が嘘だったとわかってもまだまだ何処か気に食わず、アンチスレ立てとTwitter荒らすのは止めていない。

@m@yulove♪
新曲あれ受け狙いでやってんの?www 今どきあれはないわーwww あと雑誌でやってた髪色きもい。

@kei_//n〇n
いつもチェックしてもらってるみたいでありがとうございます(^^)(^^)(^^)気にくわないなら見なくても大丈夫ですよ(^^)(^^)(^^)

 は ら た つー!こいつは気が強いのかTwitterだと必ず噛みついてくる。こんな感じのやりとりを延々とつづけている。
俺も負けず嫌いだから新譜は全部チェックするし雑誌は買うし、流石に全通は仕事厳しいけど関東圏は必ずライブに行く。あら探しのためにな。あら探しに部屋がこいつで埋まって気にくわない。

@m@yulove♪
あーお前がどこの層に人気なのか不思議だわーマジ不思議だわー

@kei_//n〇n
少なくとも貴方には需要あるみたいですけど(^^)いつも貢いでくれてありがとう(^-^)v

ぶっとばすぞ。


 そんなある日、ツアーの打ち上げが行われる場所を偶然突き止めた。友達の女の子がバンドの他のメンバーと繋がってるのだが、そこから聞き出したのだ。俺はもう生であいつに文句を言ってやろうと関係者のふりをして潜入を決行した。

 当日、少し遅れてさも関係者のように紛れ込むと、中はかなり出来上がっていた。どんちゃん騒ぎを後目にあいつを探す。部屋を見回しても、なかなか見つからない。…主役の一人なのにどこにいるんだか。部屋をひとつひとつ確認していくことにした。





 「こんなとこでなにやってんすか」

非常階段のドアを開けたら、踊り場にあいつがいた。あいつは煙草を燻らせながら携帯をいじっていた。

 「ついったー」

そう俺を見ずにあいつはディスプレイを弾く。つい廃か、こいつ。そういやいつも返信速かったか。

 「返信待ってる」

そう上を見上げるあいつ。すこしアンニュイな空気と外の冷たい風で、映画のワンシーンのように思った。
自分もあいつの横に行って、上を眺める。ボケて空はなんも見えないけど、飛行機が光ってた。下を眺めると汚い夜景が見える。

 「ファンの子すか?」

 「いやアンチの」

俺は固まる。たぶんこいつの強烈なアンチなんて俺くらいだ。ていうかたぶん俺だ。
俺の返信を、待ってる?

 「な、なんでアンチの、」

 「いや、俺もただのアンチならほっとくけど、こいつ凄い俺のこと見てるから。
俺が駄目だと思ったのは、こいつもすぐに荒らすし、いいと思ったのには何も言わない。皮肉だよな、盲目的なファンよりアンチのほうが、俺の理解者なんだ。腹立つけど。」

俺は口を開けたまま固まる。今まで一方通行だった発信が響いていたことに驚いて、それと嬉しかった。
俺が探していたあら探しが、まさかこいつと同じだったなんて。胸がくすぐったいような、いたたまれないような初めての感じだった。

 あいつは続ける。
 「ずっとツイッターで喧嘩してるけど、俺が音楽続けてるのはこいつのおかげたと思う。つまんないもんは作れないし、悔しいし張り合いがある。だから楽しいんだよ。だからこいつは好きだし、俺の支えだ。」

も、もうだめだ。俺は首まで真っ赤にしてうずくまった。涙出そう。

 「おい大丈夫かよ、飲みすぎ…」

 「これ、見て。」

そう俺のTwitterのホーム画面を見せる。
最初は首をかしげていたあいつも、理解すると目を見開いた。

 「…お、おま、なん、き、きいて…!?ていうかストーカー!?」

 「聞きました。ストーカーではないです初犯です。」

そう非常階段で姿勢を正して正座に。あいつは真っ赤な顔でこっちを見て、口をぱくぱくさせている。
俺は下を向いて非常階段の床のクロスの凸凹を見ながら、伝えるともなく呟いた。

 「一番最初は、本当は
なんてかっこいいんだろうって思った。
でもなんて言うのか…分かんねーけど、…こっち見てほしくて、
やばい、どうしよう、嬉しくて泣きそうだ。こんな気持ち初めてすぎる、やばい、なんだこれ。」

すると上からため息が聞こえて、あいつもしゃがんで視線を合わせてきた。

 「俺が好きってことだろ馬鹿…」

目から鱗。








 あのあと、打ち上げを抜けてタクシーに二人で乗り込んだ。
俺は隣に座るあいつを見やる。こんな至近距離でみると、本当。でもやっぱりこの髪色は似合わない。

 「あのさー…俺らって両思いでいいんだよな?」

 「…まあ、いいよ。」

そう赤らむあいつのデレについてけない。俺溶けそう。

 「え、このあとどうすんの?帰るの?」

 「俺は帰るよ、疲れたし。」

 「俺泊まっていいの?」

 「…変なこと考えたろ…」

そうあいつがジロリとこちらを見やる。だって同じタクシー乗ったし、終電出たし!

 「変なことなんか思ってねーよ変態!」

 「嘘だ。なんか視線がいやらしかった。まあするにしても俺が上だけど。」

ちょっと待て。聞き捨てならないことが聞こえたような気がする。上下はセックスの話だろ?流れ的に。上下は男役か女役かだろ?流れ的に。

 「はあ??どう考えても俺が上でしょ?お前かっこかわいいんだから」

 「はー?さっき真っ赤んなってた奴のがかわいいし。大人しくやらせろ。」

 「あ?俺はお前のインタビュー把握してるから、絶対俺のが上手い。
耳弱いんだろ?」

そうインタビューで得た知識で、あいつの耳の溝を舐める。あいつは「ひゃっ」みたいな声を上げながら、俺を押し退ける。

 「俺だってお前のツイートチェックしてたから。乳首いじられるの好きだっつってたよな?」

 「うぶっ!?」

あいつは乱暴にキスしてきた。歯ががっつり当たってロマンチックとは程遠かったけど、あのいつも見ていた唇だと思うと興奮した。それから、あの指が、

 「…お客さん、着きました…」

 「「!!」」

そうだった!ここは、タクシー!!
めっちゃ多目にあいつが払って、事なき?を得た。




 「じゃあこうしよう。恨みっこなしのジャンケン。」

 「よし、乗った。」

 あいつの家に着いてからも、うだうだ口論していたら、あいつからそんな提案が。もうこの一瞬に全てを賭けよう。

 「「最初はぐーっ、ジャンケンポン!!!」」

 そして、






 「や、やったー!!」

俺グー、あいつチョキ。
まさかの勝利。話の流れ的に俺の負けフラグビンビンだったからまさかの展開。あいつはソファに腰掛け頭を深く落としている。

 「うらみっこは?うらみっこは?」

 「ないっす…風呂いってくるっす…」

ねぇ今どんな気持ち?どんな気持ち?て感じでにやにやと頬をつんつんした。あいつはしょぼーんと擬音がつきそうなほど肩を落として風呂に向かった。

パタン、扉が閉まる。
ふ、と限りなく無音になった。

 「…」

あいつがいなくなって部屋が静かになると、突然恥ずかしく、緊張してきた。流石に初めてではないけど、男としたことはないし、あっちは芸能人でいっぱい経験してるだろうし、いかん、頭ぐるぐるする。

 『仕事が欲しいんだろ?ん?』

いかん、頭の中で悪徳業界人×あいつが…あいつが…仕事欲しさに枕営業…アロハシャツ着た悪徳業界人…でっぷり太ったハゲ社長…

 「野郎殺してやる!!!」

 「うお!?」

妄想にふけっていたら、もうあいつが風呂から上がっていた。ワックス落とすと若く見えてなおさらかわいいし、もうもう!本当に枕営業…涙目で妄想を伝えると、あいつはため息をついて俺の頭を撫でた。

 「んなこと思うのお前くらいだって…」

そのあとつむじにキス。
もうやだこの人、もうやだ俺。




 俺も風呂入っていざベッドイン。

 「俺が脱がすー!」

 「じゃあ俺も脱がしてやるよ」

二人で脱がしっこして、二人ですっぽんぽん。二人でちゅーしあって、幸せすぎてラブラブすぎてつらい。こんなん初めてだ。

 「ローションある?」

 「そこのボックス。」

そこを開けると、小分けされたローションがあった。手で暖めて封を切る。

 「…お尻さわっていい?」

 「…ん。」

頼むとうつ伏せになってくれた。背中のラインがやらしいから、ちょっとローション垂らしてみる。それが垂れて腰にと落ちてくる。

 「なにやってんの」

 「やらしい背中」

 「蹴りたい?」

 「いやいや」

背中はおいといて、尻にうつる。尻の形は四角だけど上がってて、いい。それを両手でつかんで左右に広げる。

 「っ」

広げて閉じてを繰返して、穴の縁が動くのを見る。すぼまっているそこに、入るようには思えないけど。

 「早くしろよ」

 「はーい」

お尻で遊んでいたら、振り返ったあいつに睨まれる。というわけで、たっぷりローションを指に絡めてそこを触る。

 「どう?」

 「んっ、くすぐったい」

 「指入れるよ」

 「うん…んっ」

指のほんの先を入れただけなのに、明らかに体に力が入った。指にまとわりつく熱くてぬめる粘膜に、慎重にならなければと思うのに、焦ってしまう。

 「っ、ん…」

苦しそう、申し訳ない…。なんかで聞いた話だと、お尻のなかって気持ちいいところがあるらしい。ケツに小石入れる人もいるって聞くし、小石ってことは割りと入ってすぐなのか?圧力で指が疲れたけど、中を探り探り触る。

 「あ、」

ある一点が触り心地が違った。そこを指先で押すと、あいつは枕を握って横を向いた。明らかに反応が違う。調子にのってそこをぐっと押すと、あいつはうんうん唸って頭を振った。

 「痛い?」

 「うーん…なんか、腰じんじんする…」

指をもう一本加え、そこをすりつぶすように揉むと、

 「っあ…ん!」

びくびくと痙攣するように、太股がひきつってる。

 「いけそう?」

 「うん…ん。」

頷きが返ってくる。いつもの目が潤んで、いつもの指が枕を握りしめている。ドキドキして、唾をごくりと飲み込む。

 「んっんっん…」

反応を見ながら、探り探り強弱をつける。あんまり動かすと眉根が寄るから痛いみたい。ゆっくりしこりのようなそこを前後に刺激する。

 「…あ、あ!」

そっから急に左右にぐりぐり動かすと、明らかに背筋が反れて気持ち良さそう。慣れてきてこねくり回すように動かす、突っ張った足の先が丸まって可愛い。

 「もう一本指いける?」

 「ん、早く、あっあっあっ!」

早くって。もうワケわからん。けっこう強引に三本目の指を差し込む。それをくわえこむ穴の縁が、引き抜くと吸い付いていやらしい。

 「あっふ、ん、んー…」

指で挟んでつまんで、どんどんしこっていくそこを弄る。その度にあいつの口から息なのか声なのか分からない言葉が漏れて、二人していっぱいいっぱいな状態である。

 「…ごめん、入れる」

 「なに謝ってんだよ、馬鹿。っ…んんんっ!」

指を引き抜くとローションが糸を引く。自分のにゴムして追加でローションして扱きながら、いま指抜いたとこに宛がう。

 「…あ、あ」

ぐっと押し込むと、弾力のある圧を感じながら、苦しそうな声が聞こえる。もう今更止まれず押しきる。

 「…あ、う…くるし…」

 「っ、ごめん、」

 「…だいじょ、ぶ」

二人して汗だくで、とてもきれいな形で繋がった訳ではないけど。

 「「やばい、泣きそう…」」

 「被せんな馬鹿」

 「そっちこそハモんな、ていうか動く」

 「うあっ!ま!」

あいつの脇の下に手を入れてべったりと密着する。汗の匂いをかぎながら、腰を動かす。

 「はっ、つ!」

 「あっあっあっあっ!んううっ」

ちなみに下の台詞が俺ね。
中のこりこりした所を狙いうつと、こっちの先も刺激されて気持ちがいい。向こうも向こうでシーツかきむしりながら、頭振ってる。

 「あっんぅ、う」

 「あっ!馬鹿噛むなぁっ」

汗の匂いに匂い立つようなフェロモン感じる。肩口に噛みつく。ちょっと血の味が口に広がって、上から下から一緒になれたように思う。それで中が締まって、搾りとるように動く。

 「はぁっはぁっあ、んあ」

今まで聞いたことのない声を聞いて、腰に響く。びくびくしなる体に歯形をつけていく。

 「ん、あ!」

一回向こうの体を横にして、挿入し直す。そんで喉仏に噛みつく。横になって深くなったぶん、頭が溶けてく。
ばつばつと腰が当たる音と、声と、それに連動する喉仏に。足先から一気に震えが走る。

 「ふぁひてひひ…?ふぅっ」

 「え、なに…あっ」

一応聞いたんだけど、伝わらなかった。そのまま中で果てた。

 「ほぉめん…」

 「いいよ、ほら綺麗にする」

あいつは俺のを自分から抜いた。そのゴムをぱちんと外してそこに吸い付いた。え、そんなお掃除出来るのこの人。やっぱり悪徳業界人…!?

 「あぅ!」

妄想中に残ってたのが吸い付かれて飛び出る。

 「はーはー…ありがとう…」

 「ん、じゃあ次俺。」

 「…うん?」

息も整わないうちに、俺はうつ伏せにされた。
どういうことだ、これ。振り返るとあいつと目が合う。

 「交代制で」

にっこり笑うあいつ。まじかよ!!









@m@yulove♪
腰いたい腹筋いたい。

@kei_//n〇n
昨日はお楽しみでしたね(^^)(^^)(^^)腹いたいいたい

@m@yulove♪
お前もな。いたいいたいいたい。



おわり


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