とろとろ

お人好し×愛情表現過多な恋人
お人好しと中古ビッチ続きよくんおデートの続き。
見れない人用分割12


 吉澤さんとだらだらとカウンターの中で作業中。

 「で。」
 「はい?」
 「今回は何が原因なの?」

またニタニタしやがって吉澤。
以前、日を跨いだ時だけ迎えにくるという約束を雄佐と交わした。
今の時間は深夜2時、レジ閉め作業中。しかし雄佐が現れないから、吉澤さんは「喧嘩?浮気?」としつこい。

 「前者です。」
 「あーそれ清くんが悪いわ、絶対。いひゃいいひゃいいひゃい、…清くん最近俺の扱い荒くない?吉澤寂しい。」

まだなんも言ってませんと吉澤をつねると、くねくねすりよってきた。俺より背が高い男にすりよられても苛立ちしか生まれない。
そして俺は悪くない、絶対。



*



 「はぁ…」

 ため息が出る。もう一週間きよくんと口きいてない。あーもう、なんで俺こうもうざいんだろ…めっちゃしんどい。

 「なにやってんの?」
 「あ、髪切れてる。一口。」

ラウンジで一人うだうだしていたら、友達の未来がやってきた。久しぶりに見たら黒髪短髪ふわふわパーマかけてやがる。エセ草食系。未来が持ってたコーヒーを一口もらった。

 「で、なにうじうじしてんの。」
 「ううー…」

向かいに腰掛け携帯をいじる未来。ストラップと待ち受けが、萌え系でちょっと驚く。あー俺もこの美少女くらい可愛かったら、何も怖くないのに。



*

 「………」
 「だから大丈夫。うん、うん…そうだね、うん。」

 最近、きよくんのとこに、よく電話かかってくる。ラボの女の子だって。一緒に実験するメンバーらしい。俺は二人でいるときも電話されて、あんまりいい気分じゃない。

 「そっか。ははっ、うんうん、分かる、あるよね。」
 「………」

しかも電話も勉強とかじゃなく、その子の相談とか雑談ばっか。これ怪しくない?この女の子明らかに狙ってるでしょ。俺はきよくんの隣で電話がきれるのを待つ。

 「うん、わかったって。ん。じゃあまた。わかったって!あははっ、うん。切るよー。」
 「………」
 「ごめん、長々電話しちゃって。連絡のはずだったんだけど、この子話長くて。」
 「別に…」

ぷいっと横を向くと、きよくんが頭なでなでしてくれる。くそーほだされなんか、なんか、

 「きよくぅんんっ!もっと撫でてー!」
 「よーしよしよし、ごめんごめん。」



 実際問題、その女が怪しいのは確かだし、きよくんの研究室のほうにこっそり日を開けて偵察にいった。見たって何もならない。よせばいいのに、俺馬鹿。

 「あ、」

そうしたら、遠く、一階の渡り廊下のほうに早々にきよくん見つけた。これから実験なのか白衣だった。格好よすぎしょ。
とりあえずズーム機能で連写しといたけど、問題はその隣。けっこう、けっこう、てか普通に可愛い女が一緒に笑ってた。
ぶっちゃけ、来る前は理系女子テンプレ的な、その、理系女子テンプレ(察して)的なのを期待してた。
俺の想像より遥かに可愛くて、きよくんと笑いあってた。女はそつなく髪をゆるくパーマさせてふわふわさせて、柔らかそうな、楽しそうな、
お似合いカップルだった。

 「…やだ」
 「いやだ」
 「…いやだ。」

小声で口のなかで繰り返す。先輩のときも感じた、絶対的な壁、男女の壁。
あの子は何も考えずデートに誘える、電話かけられる、迫れる、バレンタインにチョコあげられる、手を繋げる、キスできる、セックスできる。
急に血の気が引けて、全身が寒くなった。きよくんと俺の間に透明だけど割れない壁がある。

 「やだぁ…」

きよくんはああやって、女の子と心通わせられる。俺には何もない。寂しい。そんなにその子と笑うなよ、きよくんに触るなよ。
きよくんに、きよくんに、

 「…やっぱり、女の子のが、いいって言われたら、言われたら、」

もう立ち直れない。
神様が、俺に調子のんなっていってんのかな。あんな素敵なんだもん、他にフラグ立ってても、不思議じゃなかったじゃん。

 「…っ」

 やだ。引き下がるのはいやだ。盗られるのは、いやだ。ありがちだけど、きよくんなしじゃ、生きてけない。生きる意味が薄れる。だから、ずっと、俺のところに縛っておきたい。髪の毛一本だって、俺が貰う。


 「出ないで。」
 「あーごめん、でもラボの連絡が。嫌なら外でかけて、」
 「出ないで。」

 次会ったときも電話が鳴った。
俺が強く繰り返すと、きよくんは明らかに困った顔をした。

 「やだ出ないで。」
 「すぐ切り上げるから。3分だけ。」
 「やだ。他のメンバーに連絡したらいいじゃん」
 「でも実験のペアだから。」
 「他のひとにしてもらってよ」
 「そんなの無理だよ。」
 「やだ。」
 「なんで。ちょっと、何なの?どうしたいの?」
 「あの子きよくんに惚れてる」

押し問答の末、俺がそう言うと、きよくんは驚いた後に語気を強めた。

 「は?なんでわかんの?」
 「見たもん」
 「見たって?」
 「研究室のほう行った。二人で歩いてたとこ見たけど、絶対気がある。」
 「来てたの?まさか、そんなんじゃないし。俺はそんなつもり全くない。」
 「じゃなきゃあんな見つめあう訳ねーじゃん!」
 「そんなことないよ。どうしたら信じてくれる?」
 「きよくんが鈍感なだけだ馬鹿!」
 「そんなこと」
 「そいつと連絡切って!」
 「だから聞いてって。信じて、俺は」
 「聞きたくない!連絡先消せ!じゃなきゃ別れる!!」

あ、今の、言っちゃダメだった。きよくんが寂しそうな、冷たい顔をした。
そう思うけど、ヒートアップして言葉がばんばん出てきた、その結果。あ、ダメだった。これが、言いたい訳じゃなかった。
きよくんがいつもより冷めた声で話す。やだ、いやだ、

 「なにそれ。」
 「っ」
 「こっちの話も聞かないで、話信じようともしないで。話す意味ないじゃん。」
 「…」
 「冗談でも軽々しく別れるっていうの大っ嫌い。頭冷えるまで連絡して来ないで。」

勢いで、きよくんの地雷踏んだ。
俺は何してんだろ。神様が調子のんなって嘲笑ってる。せっかく、せっかく、付き合ってもらったのに。



*



 ラウンジで未来と分かれてから、きよくんのバイト先の裏で隠れてぐるぐる。今日きよくん2時上がり。おむかえの習慣が。なんて言って謝ればいいんだろう。そう考えてたら時間ばかり経って、余計謝りにくい。でも来ちゃった。

 「…」

待ち受けの白衣のきよくん見てたら、かっこいいのに悲しくなってきて、どうしよう、この間にあの女に出し抜かれたら。
俺はきよくんと別れたくない。
あの女とも本当は話してほしくない。
でも、じゃあ。どうしたらいいの?

 「ゆう。」
 「あ…」
 「なにしてんの。」

背後からきよくんの声。振り向くと裏にゴミ捨て来たきよくんが近くにいた。そんでそれだけ。きよくんが、こんな、こんなこと言う。

 「む、かえ、」
 「頭冷えたの?」
 「…」
 「じゃあいい。」

きよくんはそのまま無反応に中に戻ろうとする、どうしたらいいの?俺は何したくて何したくないんだ?分かんない分かんない分かんない。行かないで。
きよくん、中に戻っちゃう。その足にすがり付いた。

 「す、捨てないで…っ!」

きよくんは振り向いて、すこし驚いた顔をした。

 「え、なに。」

 「こないだ、ごめんなさい、っ俺、また、やっぱり女の子が良いって、言われ、言われるかと、思って…、でも、俺っ、俺っ、身分不相応だった!付き合って、もらって、るのに…
きよくんに捨てられたくない、二番手でもいいよ…っ!あの子のバーターでいいから、お願い、俺と一緒にいて…っ!」

一気に思いを告げると、きよくんが眉を寄せて慌てたように近寄ってきた。

 「え、待って待って待って。いつそんな話になった?バーター?
待って待って意味分かんない。」
 「だって…俺、付き合ってもらって、んのに、またカノジョみたいなこと言ったから怒ったんしょ?おれ、ちゃんと自分のポジション把握したから、我が儘絶対言わない。」
 「んー…いやいやいや、待って待って。あれ、どうした。これの論点なんだっけ。これじゃない、これじゃないのは分かるんだけどー…。
あっ!あと少しで上がれるからちょっと待ってて。あれ?あれ??」

そうきよくんは焦りながらバイトに戻っていった。バーターは、ほんとはやだ。でもいつも俺はカノジョ面して、でしゃばって怒らせるから、仕方ない。ポジション把握しなきゃ、俺、超イタイ。



 いつもより速いレジ閉めをしてくれたのか、きよくんと前も来た公園で話し出す。

 「え、でなんだっけ。バーター?」
 「うん…でしゃばってごめん…」

そう頭を下げて鼻をすする。きよくんは隣でうんうん考えこんでる。別れるのは、やだな。別れるのだけは、

 「あのさ、色々整理していい?」
 「お、うん」

きよくんはそこらの木の棒で土に問題点を書き出した。

『ゆう→女の子と連絡とってほしくない。
俺→信用してもらえてない感じが寂しい。』

 「こうじゃん?」
 「うん。」
 「なんでさっきの話になんの?」
 「え、んー?」

あれ、確かに。
ゆう→女の子と連絡とってほしくない。(同情して付き合ってくれてるきよくんとられたくない)
俺→信用してもらえてない感じが寂しい。
と、書きたしてみる。

 「あー…ん?」
 「ん?」
 「え、俺、ゆうのこと恋人として好きだけど。え、あれ付き合ってたよね?」
 「ほわっ!???」

顔を合わせる。なんかすっげー情報伝達のミスを感じる。
きよくんは合点したように書き足す。

ゆう→女の子と連絡とってほしくない(同情して付き合ってくれてるきよくんとられたくない)
俺→信用してもらえてない感じが寂しい。
→俺が好きなの分かれば、信用してもらえて、とられる不安もなくなって、解決?

 「なにこの単純な話…。」
 「あ、あう。き、きよくん、俺、おれのこと、す、すすす好きなの…?」

徒労感に襲われるきよくんの横で俺は動揺しきり。涙目で自分でも目キッラキラだと思う。

 「言ってなかった?」
 「聞いてない…」
 「あ、そっか。」

きよくんから、ちゅー。
長い長い長い長い長い心臓爆発しそうじゃ。胸と股間が痛い。

 「じゃ、言う。」

きよくんは唇を離して、顔を掴んだまま丁寧に言ってくれた。

 「すごく一生懸命で、あほでエッチで、俺がだいだいだい大好きで、泣き顔が可愛い。
…好きです、付き合ってください。」
 「っ、っ!っ!」

文字通り、がちで文字通りびええと泣いた。俺のことを見て、一緒にいて、好きになってくれる人が表れるなんて。しかもそれがきよくんだなんて。
高校のときの俺。大学の俺は死ぬほど幸せだぞ。



*



 「エッチしよう。仲直りはエッチがしかるべきだ。」
 「高校生か。やりたい盛りか。」

 家できよくんに張り付く。もう一刻も早く恋人エッチしたかった。きよくんの耳はみはみしつつ、シャツに手を突っ込む。

 「恋人エッチしたいの…」
 「えっらい現金だなゆう。」

あきれたようにきよくんがシャツを脱ぐ。わあ恋人エッチだぁー、恋人エッチ…?

 「恋人エッチってなにすんの?」
 「えーなにそれ。ゆうが言い出したのに。」
 「だって俺、恋人とエッチしたことない。」

そう、先輩といいセフレはいたけど、恋人は今までいたことなかったから、恋人のするエッチってものが分からない。きよくんがちょっと嬉しそうに笑う。

 「じゃあ初エッチだ。」
 「うあ、なにそれ、すごい、っ」

きよくんが俺を押し倒しつつ、目尻にキス。鼻にキス、
 「やん」
おでこ、こめかみ、
 「っ」
頬、耳、首筋、
 「はう…」
ってうううううう!ちゅっちゅっといたるところに、触れるだけのキスを落としてくる。

 「は、恥ずかしすぎて死ぬ…」
 「恋人になったばっかなのに?」
 「じゃあ生きる…っあ!」

へそ、足首とキスしてから、俺の上にきよくんが乗ってきて、69の体勢になる。パンツを横にずらすと、きよくんのちんぽがぼろんと溢れる。はふあ、きよくんのちんぽが。

 「ん、んっんぐ、」
 「ちゅ、」

きよくんのちんぽくわえると上から突かれる。口いっぱいにきよくんの味が広がる。きよくんは俺のちんぽにもちゅってキスをしてから、口にふくんだ。あ…!

 「足開いへへ」
 「あい、ちゅっ、むぐ、ん…」

思いきり足を左右に開いてると、きよくんがくわえつつ穴に指を突っ込んできた。二点責めは、そっこー駄目になっちゃう。やばい。体がびくんと跳ねた。きよくんはフェラに合わせ、中を押し潰したり揉んだりする。

 「はひっ、あくっんう、うっあっ」

口いっぱいに頬張って、頬の肉できよくんのちんぽを擦る。唇で吸い付いて、でこぼこをなぞる。先っぽにちゅう、と吸い付くと、ぴくんと震える。かわいい。きよくんのちんぽ可愛いよ。

 「きよくん、っ、はぁ、あっ」

きよくんもしゃぶりつつ、指を抜き差しする。中でぬるつく指が、固くしこった前立腺を挟む。き、きもちいい。こりこりとそこを弄られると、腰がとろとろに砕け、口の中のちんぽ噛みそうで恐い。だから口から離して舌できよくんの裏筋をなぞる。

 「ひよふん…きもひいい…いいっ、いいっ、あっきもちひいっ!」
 「っあー…俺も、気持ちいい。でも…もっと良くしたげる。ま、恋人だからね。」

意地悪な言い方だ。萌えた。エロいことしてると素直になれる。お互いに股の間に顔埋めて、舌でどんどん高めていく。びちゃびちゃした音が響く。きよくんが反対の手も俺の股間に回した。

 「あっ!あっきよくんっひっくぅ、ううっあっ!そんなっいっぱいっ、あっん!んんう!」

 !きよくんが俺のちんぽに吸い付いて、玉こりこりしてくる。玉の固いこりこりしたところを探って、ぐりぐりする。ひ、や、あっ!やっば!背中が反れて、完全にきよくんのちんぽが口から離れた。

 「きよくんっきよくん!それっあっ、ひ!やぁあっ、あっそんな!駄目っ!まっ!」
 「えっろい声。」

きよくんの指が玉と穴、口が竿をいじくる。きよくん、なにそれ、死んじゃう、死んじゃう、らぶらぶ恋人になれたとこなのに、腹上死しちゃあ…!
たまにこすこすと穴と玉の間を擦られて、股間周りの性感帯をまとめて刺激される。これは、まずい。足丸めて強烈な快感を分散する。頭とろとろ、涎とろとろ、気持ちよすぎて恐ろしい甘怖い感じ、もうやめて欲しいようなこれ以上されたら…!て感じなような、やめられたらがっかりするような

 「も、らめっ、き、よくん!かお、あっあっあっ!か、かお顔見たいっ、こっち、あっひ!こっち、来てっ」
 「っ、ん、オッケ。」
 「ちゅっ、んううん、ん…んう」

 口から俺のを離して、きよくんが俺に馬乗りになる。やとこさきよくんが口にちゅうしてくれた。しあわせ、きよくんと涎をくちゃくちゃ流しあって、涎を交換し合う。涎を、舌で混ぜ合わせる。やらしい、美味しい。

 「ふは、あ…」
 「入れていい?」
 「ん、うん、ん…ちょうだい…俺にきよくんのちんぽ、食べさせて…?」

足を開いて、きよくんのちんぽに手を添える。ひく、と穴が勝手に動く。頭より体のがきよくんを分かっていて、ただただ幸せな気持ちでいっぱいになる。

 「ひっ!あぁあ…」
 「っ、あっ」

ぐぬ、と熱を感じて、固いちんぽが中に入ってくる。きつきつと締め上げる中を、ゆっくり収まってくるきよくん。すっぽり、腹の中でぴくぴくしてるのが分かる。あ、あ、と途切れない声を上げながら、きよくんの背中に手を回す。

 「ちょー幸せ、あっ、いつもより、ちんぽ、感じちゃう…っ」
 「ん。」

もっかい口にちゅう。それから、手、握ってくれて、きよくんが腰をバウンドさせだす。あっ!背中を反らす、頭振る、それでもきよくんがちゅーし続ける。肌の密着も多くて、とにかく興奮と安心する。

 「ひぁっ!あっ、きよひゅんっ、っ!ひっ!ひあ!きよっ、んんぶぅっあっんんんうっ、んあっ、あっ」
 「んっ、んっ、ん…」

…こんなラブラブエッチ、AVでしか見たことないよ。腹上死してもしょうがないよ。
きよくんの手の甲に爪たてつつ、俺はそんなこと考えてた。たぶんこの時の「あっ」みたいな声には全部ハートついてたと思う。






 「おれー、ちょう幸せー…」
 「何度目それ?」
 「幸せー…」
 「こんなんで幸せになってくれるなら、俺もうれしいけど。」
 「だいすきー…」
 「ん。」耳にちゅうー
 「浮気しないでねー…」
 「しないよ、こんな手のかかる恋人いるのに」おでこ、ちゅうー

とろとろじゃなくて、これ、でろでろ?らぶらぶ?
なんでもいいやー、きよくんの目蓋にちゅうー。

おわり


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