リーマン×リーマン
攻がうるさい
「おかえり」
「ん、ただいま」
いつものように7時に家で食事の支度をしていたら、同居人が珍しく早く帰ってきた。手元の皿を見せる。
「今日さ、あそこの肉屋のコロッケ安かったから、コロッケ。」
「いつもありがとう。」
「いいえー。その分食費多く払ってるっしょ。」
「…ううん。」
適当にシャツにボクパンで、鍋を掻き回す俺と、後ろで生気なくテレビを眺める同居人。普段7時代は仕事でテレビを見ないからか、ころころチャンネルを替えている。
「なぁ」
「んー?お腹すいた?もーちょい待っ「にゃでにゃでして。」
鍋を掻き回す手が止まる。聞き間違いかと思って振り向くと、同居人は視線をあちこちに飛ばしながら、三角座りしていた。
「…なんて?」
「…………」
「えーえー!なにー!なんて、なんて言ったー!?もっかい!もっかいだけちょうだい!」
コンロの火を止めて駆け寄ると、三角座りの膝に顔を埋められてしまった。でもお耳ピンク。珍しくデレた同居人にガツガツいく俺。ほんと久々なんだって!デレんの!
「だめ?や?」
「………やじゃない」
「じゃあもっかい!俺見て、もっかい、ちょうだい。」
「………」
粘ると、しぶしぶ膝から顔上げた。同居人はちょっと躊躇してから、唇を一回噛んで、視線を一度下げて、こちらの鼻先を見つめた。
「にゃ、にゃでにゃで…」
か、かわいい!!!!
なんで!パッと見くたびれたリーマンのくせに!なんでこんなきゃわいいんだよぉ!おかしいだろ!あーくそかわいい。もう世界がおかしいんだ、きっと。たぶんそう。かわいい。あーかわいい。
「はい、にゃーん!」
「にゃ、にゃーん…」
そんな心情を顔には出さず、時間が経ってへとへとになった髪に手を置いて、なでなでする。そしたらなんかにゃんとか言ったこいつ。なにそれ、かわいい。え、俺一応人とお話するのが仕事なんだけど、今該当する語句がかわいい。しかない。かわいいに類する語を学ぼうと思ったけど、たぶん家でしか使わないからいらない。あと思ったのが、このままあれに持ち込めば、にゃんにゃんプレイ持ち込めるあれでそれで、これだ!!!
「んふふ、にゃん、にゃーん」
「んっ!?あ、んん…にゃ…」
なでなでしながら、もう片手でソファー押し倒して、ちゅーして、こっちはもう猫じゃなくて狼だぞぉ!?
ん、狼はやめよう、おっさんくさい。訂正する。…別にこんな文章読んでる人は俺がおっさんと思われるか否かなんぞ、どうでもいいとは思うが、うわこいつおっさんだと思われるのも至極遺憾の意なので一応自己弁明させて頂きます。心はティーンです。
「んふ、仕事明けのシャツの匂いだいすき。」
「っ、はぁ、あ…」
ティーンの俺はたぎる情動のまま、くたびれたリーマンのストライプのシャツをひん剥く。あ、ネクタイ取ってない、やらしい。AVのリーマンものっぽい。そんで首もとの襟つかんで顔埋める。
これが本当、だいすき。なんだろ、体臭なのかな?朝は別にいいとは思わないんだけど、夜、帰ってくるとね、体臭と汗と香水と、全部混ざって凄く、たまらないにおい、になってる。ぞくぞく背中が波打つ。もう、いちゃいちゃにゃでにゃでモードじゃないから。襟元、見えるギリギリに噛みつく。あ、俺噛み癖あって。つい。だってお堅いスーツの下、噛み跡だらけとかやらしい。
「っ…ん、ぅ…いたい…」
そう言うけど、俺の背中に腕が回される。噛みつく俺と裏腹に、背中をいとおしむように撫でられる。噛みついた跡を舌でなぞると、歯の凸凹が確認できた。もっかい噛みたいけど、そろそろ怒られる。
「っは、御主人様は、どっから責められたいでしょーか。」
「…は?」
「どんなとこでも、丁寧に、迅速に、にゃでにゃでしますよー。」
変なテンションで、同居人の下唇噛んで、視線を絡ませあって、顔を寄せる。聞きたい言葉を食べれちゃうくらいの距離。さっきよりも頑なでなくなった同居人は、俺の口周りごと食べるようなキスしてから、唇を離した。
「全部。全部にキスしろ。」
いただきました。
「んん、っく、ぅん、あ…」
ソファーから場所を移し、ベッドに。ソファーからベッドまでの間に脱ぎ散らかした服が落ちてる。着エロ派の人ごめんね、でも着てるのスーツだからさぁ。ザーメンまみれのスーツって………あ、ごめん萌える、次回で。
「あ、あ、すごい…あ…」
まずは耳から。耳弱いんだよねーこいつ。だから耳ちょっと弄るだけで、声跳ね上がる。ん、左手もぞもぞさせてると思ったら、俺の握ってきた。
「やっ、あっ、耳はぁ、あぁ、」
「えっちな音する?」
「する、する…っ」
耳朶を食んで、耳の耳殻っていうの?外側から入って、穴に入るところのでっぱり、そこらへんで焦らして、ふっと一息。
「はっ!!んんぁ!」
やらしー声する。そのまま水音立てて舐めたり、遊んだり。耳で声出されるとなんか嬉しい。謎の心持ち。
それから舌を下げて、首筋、鎖骨、胸、で。
「あー…」
乳首。なんでか同居人、乳首の才能に長けていて、とてもやりがいがある。同居人は多才だ。ちなみに今も俺のはもみもみされている。
「やっ!あ!あぅ!う!」
ちょっと指で摘まんだだけで、これだ。こんなやらしい乳首を日中どうしているか、凄く気になる。もう片方は口で。ちなみに偉大なる先人の教え通り、ストローを吸う強さで吸っている。余談だがストローを吸う強さがどんくらいかは分からない。イメージの話である。
「やぅう、あっ、んん…ん、んんぁ!」
ちょっと引っ張ったり、舌と指で転がしたり、爪先で先っぽの窪んでるとこ引っ掻いたり、中に埋めて揺さぶったり、した声が上になります。
ちくしょうかわいい。やっぱり語彙を増やすか。それよりも俺のにぎにぎにしか意識が、意識が!がんばれ!がんばる!!!
「あっ、なんで…ってあ!俺まだ風呂…!やめろ!」
「ぜんぶ、ってご命令なので…」
名残惜しいにぎにぎから離れ、同居人の足の指をくわえる。同居人の左足の親指にフェラチオしてみせる。根本から舐め上げ、根本までくわえて吸ってみたり、丁寧に丁寧に。同居人は洗ってない足を舐められるのに抵抗を示したが、余計燃えた。そこまで匂いはなかったが、ずっと黒のソックスと革靴に包まれてた足は湿り気があって、剥き身の体を連想させる。同居人も同居人で、焦らされているちんぽへのフェラチオを想像して、涎を垂らして震えていた。が、俺が親指に涎を垂らしてピストンさせると、同居人は堪えきれず目を覆った。
「も、やめ、いやだぁ…」
「ちゅはっ、なに言ってるんですかー?っ、ん、あと9本、しっかりご奉仕させて頂きますよ、っちゅ」
うそ。流石にそれはめんどくさい。でも同居人は明らかに狼狽え、首を振った。
「やだ…」
「なんで、ちゅぽ、れすか?ご命令、れすよ?」
「…」
左足の人差し指に移行する。当然、その間の手で言うところの水掻きの部分、は、よりいっそう丹念に。ここの方が反応いい気がする。くすぐるように舐める。すると黙っていた同居人が、俺の手を引き剥がした。それから大きく足を開いて、その足を自分で抱えた。いわゆるまんぐり返し。それからさらに、指で自分の穴を引っ張る。
「こ、こに…キスしろ…っ!」
と宣う。顔はでろでろに蕩けて、息も絶え絶え、なのに軽く睨んで、これ。ぷちん、あ、ボーダー越えた。もう理性的に動けない。まだ眼球も口内も背中も脇も指先も太股もふくらはぎも踵も踝も、ちんぽだって、キスしてないのに。それはないでしょうよ。もう、ずるい。
「ちゅっ、ちゅう、ちゅは、ん……今日いれんのアリ?いい?」
「ん、んぁあ!あっ!い、いい!いいから!」
「やったー、ちゅっ、ちゅうううぅっ」
実際問題、毎回入れられる訳ではなく、向こうの明日次第という、世知辛い社会人なのですが、まぁ今日くらい無礼講でいきましょう。いや別に?そういうこと聞く時に限って、回転させるみたいにベロ突っ込んでませんよ?勿体ぶるように引っこ抜いてませんよ?同意です。完全に。
「んぁっあっ!あっ!うぅう〜っ!あぅっ!ひ!」
吸い付きながら、やらしい音立ててやる。だんたん柔らかくなる縁にキスしながら、限界まで舌を差し込む。そのまま舌を半回転させて、逆回転させて、中を掘り進む。実はね、もう自分が何してるかよく分かってない。声が絶え間なく上がるから、きっと、正解。
………で、もう、いいかな?いいかな?とりあえずいいかな?とりあえず一回。とりあえず一回よろしいでしょうか?
「んあっ!あぅっ!くっ!ん!はぁっはぁっはぁっ!あっ!も、いい、も、きて…っ!」
「っ!」
お許し!頂きました!
顔を上げて、待機してたのを宛がう。あー焦らすか、中ちょっとくちゅくちゅしようかな、それともあえて兜合わせしてみようか、それとも。
「んぁっ、あ…あ…あたってる…ありがと………………にゃん」
はい、無理、でっす!!!
なにこの人!そんな蕩け顔でそんな涙浮かべて、にゃんって!にゃんって!危うく暴発するとこだったわ!!
だいすき!!!
「やぁ!あ!あ!あ!あ!あ!すごっ!あんんっ!あっふ!はぁっ!あぁん!や!あぁ〜っっ!」
「っ!くそ、かわいい…っ!」
続きはまた今度にでも!
おわり
(続かない)
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