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溢れる想いを整えるために息を吸って吐く。

緊張を解すためでもあるけど、想いを整えないと恥ずかしい事をベラベラと喋るかもしれない。


ドキドキと高鳴っていた心拍も普段通りの速さに戻ったのを確認すると、会長を見た。


ああ、駄目だ。また心拍が上がる…



「東堂会長…」

「ああ」


今の場で役職で呼ぶのも何かと変な気がして名字を付けて呼ぶと、微笑みと同時に声が返ってきた。


「俺は会長の事が好きです。きっかけは些細な事で会長は覚えてないだろうけど、自覚したのは去年。」

「…」

「それから、会長と話せる事を夢見てたから会長と話せて嬉しかった。」


嬉しかった、と言うと会長の顔がまた強張った。何それ、過去形は禁句なのか。


「もし、会長が良かったら、これからも沢山、色んな事を話していけたらなって思う」

「…ああ」

「俺と、付き合って下さい」


結果が分かってても、俺にとっては精一杯の想いを詰めた。


だからもう、まんぞ…

「ああ、よろしく」


……く?






「……は?」

「は?って何だよ。付き合って下さいって言われたから了承したんだよ。」

「だって、会長好きな人いるって言ったじゃん」

「………お前、鈍い」

「皐月と同じ事、言うな」

「ソイツの名前出すな」


ムッとして、会長を見れば会長は会長で怒った顔をしていた。


「何で分からねぇの、神楽。俺はお前が好きなんだよ」

「……っは、」

「理解したか?」


な、何でそんな直球に好きって言えるのかな!?

…うわ、今の俺、顔真っ赤な気がする。


「神楽、顔赤い」

「言うな馬鹿」


会長に馬鹿なんて言っていいのか分からないけど、そんな事言わなくても分かってるし、言わなくてもいいじゃん。

ああ、頬が熱い。

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  モドル

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