20
火照ってしまった頬を鎮めるために手で顔を仰ぐ。
そろそろ治まっただろう頃に会長を見ると、それはそれはは素晴らしく爽やかな笑顔をしていた。
「俺ら相思相愛だな」
「そっ!?」
サラリと笑みを浮かべてそう言う会長に顔が再びに熱くなる。
「……でも良かったな。卒業してたら、両想いなのに想いを伝えれないままだったな…」
「あ、そういえば、ちー…」
「あ?ちー?誰ソレ?俺の知ってる奴?」
「…会長、笑顔が怖い」
ニコニコと笑ったままの会長の顔は何処か恐怖を帯び立たせている。
「で?誰?」
「…会長の知らない人だよ」
「男?女?」
「お、男だけど…」
「………ふーん」
急に真顔になって冷たい声で言う会長に俺は不安を覚える。
何か誤解させているかもしれない。
「で、でもいつか会えるよ。」
「いつかって?」
「八年後、とか」
ちーは八年後から来たから、俺が歳をとればちーそのものになる。
まだまだ先の話しで、会長には悪いけど待ってて貰う事になるけど。
「ちーは俺の協力者だよ。会長に告白するのを手伝ってくれたんだ」
「へー、」
微笑みながら言えば、会長は嬉しそうなつまらなそうな、複雑な表情だった。
「会長に告白した事、報告しなきゃな」
携帯を取り出しながら言うと、会長は何処か納得いかないような顔をしていた。
「会長?」
「付き合えた事じゃなくて告白した事なのか?」
え、それ言ったらちー、泣いちゃうと思う。両想いだったのに言えなかったって言う後悔で。
「と、取り敢えず告白の方を、と。」
メール作成画面を開いて「告白したよ」と送った。
すぐに返って来たメールには「どうだった!?」と書かれていた。
そこ聞いてもいいのか、ちー。
「両想いって打て」
「勝手に見ないで下さい」
「打て。ついでにお前より頼りになると打て。」
「は?何それ?」
会長、ムスッと拗ねたような顔になっている。一体、どうしたって言うのさ。
モドル