18



軽くなった心に俺は何故か安堵した。


「会長、」

「なんだ?」


思えば、会長と仲良くなった時から恋愛なんて儚く散ってしまっていたんだ。

会長が言ってしまえば関係が崩れるなら、俺が言っても変わらない。

同じ、なんだ。


だから…



「好きです」


「…え?」



あ、会長、凄く呆気に取られた顔してる。やっぱり会長ってどんな表情でも格好いいよね。たまに可愛いけど。

そんな姿を自分の目に写して、俺はその表情に思わず笑ってしまった。


すぐに笑うのを止めて、俺は会長を微笑みながら見る。



「好きです。会長が。」




ずっと。もう、一年もずっと前から。




「大好き、なんです」




ああ、もう駄目だ。


涙腺が歪んできた。恥ずかしさあまりに。いや、想いを伝えれた感動で。多分。

涙が頬を伝うのを感じながら、俺の心は告白出来てスッキリしていた。

これで関係が崩れても、もう後悔なんてしない。



「会長とまた話せて良かった。嬉しかった。ありがとう」



今だに驚いて目を見開いている会長にそう伝える。


…卒業までに想いと思いを伝える事が出来て良かった。俺、今、世界で一番の幸せ者だ。


もう一度微笑んで会長を見れば、顔を歪めていた。



「っ良かったって、嬉しかったって何だよ?」

「え?」

「だから、何で過去形なんだって言ってんだ」



会長はこの前みたく怒っているのか顔が怖くなっている。そんなに俺に好かれてる事が嫌だったのか、そうか。


「俺は会長に想いを伝えれて良かった。卒業までそんなにないから。後悔、したくなかったんだ。」

「…」


「なぁ、」

「…何だ?」

「もう一回言うから、ちゃんと聞いて…受け止めて欲しい」


今日の俺、勇者だ。

自分がこんな事言える奴だと思わなかった。本来なら恥ずかしくて穴に入る。てか、埋まる。

真剣な顔をしているだろう俺を見て、会長は微笑んだ。


「分かった。ちゃんと受け止めるから」


会長、イケメン過ぎ。
これ以上、俺を惚れさせないでほしい。

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  モドル

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