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「ふわ、ぁ…」


あー欠伸が出た…

お経のように話す古文の先生の授業にうとうとと舟を漕ぐ。

昨日あんな事があって、ちーには好きな人がいるか聞けって言われたけど、今日はまだ会長に出会っていない。


今は4時間目だから早く授業よ終われーと願っていると、丁度チャイムが鳴った。



「千里、お前授業中舟漕いでたぞ」

「うるさい。古文の時は眠いんだよ」


授業が終わった途端に俺の席に来て茶化す皐月を睨んだ。


「それはそうと千里、最近会長の様子が変なんだけど」

「は?変?」

「うん、変」


会長の様子が変だと言う皐月はニヤニヤと笑っている。

何で様子が変な事でニヤニヤするんだ。


「何かねー、俺を頻繁に睨んでくんのー。何でかなぁ?」

「お前、まさか会長に何かしたのか?」

「……鈍ちん」

「は?」


皐月は呆れた目で俺を見ている。意味分からないんだけど。鈍くないし。意味分からないんだけど。


「…ん?頻繁って?」

「んー?俺、結構前…一年程前から睨まれてたよ。痛いの何の…」

「お前、一年前を振り返れ。絶対何かしたから」

「……馬鹿」

「はぁ?」


次は馬鹿ですか。俺は特待生だし、一位をキープしてるから皐月程ではないと思う。

ため息を吐く皐月に意味分かんねぇって言ったら、分からないのはお前だけだからと返された。

…何で?



「あ…」

「どうかしたのか?」


呆れた目で俺を見ていた皐月が何処かを見て呟いた。

皐月は明らかに俺の後ろを見ていて、クラスの奴らも騒いでたから何かあるのかと後ろを振り向いた。

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  モドル

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