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※学パロ
※恋愛とかじゃないです。



「かすがー!」
「ユズ」

声をかけると、振り返る彼女の黄金色の髪が揺れた。
透き通るように綺麗な、その金糸に例えてもまだ物足りないその細く綺麗で繊細な髪につい見とれてしまう。
おまけに振り返った彼女の顔は凛としていて整っているし、制服の上からでも分かるスタイルの良さと言ったら、モデル顔負けのものだった。
彼女のいいところに終止符を打つなら、成績優秀。運動神経抜群。性格良好と言った所か。
絵に描いたような女の子とはまさにこの子の事で、生まれてこのかた、私は彼女以上の女性を見た事が無いだろう。

「・・・どうした?」
「あっ、ごめんついかすがに見とれちゃって」
「そういうのは心の中で言おうな。」

苦笑する彼女もまた、美しいという称号を与えたくなる。


「ええっとね、これからお昼でしょ?一緒にどうよ!」
「あー・・・」


かすがは、その大きな目の中の瞳をくるりと動かした。その動作まで美しい・・・さっきから美しい美しいといい続けているが、本当に仕方が無いのだ。私は彼女に心酔してしまったのだから。
しかし、私がかすがにそうであるように、かすがもまた心酔している相手が居るのだ。

その相手とは―――

「悪いなユズ。今日は上杉先輩が昼を誘ってくれてな・・・。」
「あ、そっか・・・ごめんね。」
「明日なら構わないぞ。」
「ありがとうかすが、でも明日は休日だよ」
「そ、そうか・・・すまない。」

揚げ足を取るだなんて私は何て不細工なのだろうか。いや、自覚は済んでいるのだけれども。
しかし戸惑うかすがも以下略。

「じゃあな」
「うん!」


彼女の姿が見えなくなるまで、その後姿に精一杯の手を振った。
角を曲がった彼女の姿が消えた瞬間、私は唇を強く噛み締めた。べ、別に悔しいわけじゃないのだ。


「畜生・・・上杉先輩の野郎め・・・」
「あはー振られちゃったのー?」
「!佐助、」


つい本音を口から零した私の耳に、ヘラッとした脱力系の声が届いた。
私はこの声を知っていた。故に、後ろを振り向いたときに予想していた人物通り過ぎて驚きも小さかった。
やあ。と手を上げる彼は猿飛佐助。私の友達?である。


「いいんだよ、畜生上杉先輩許さん!」
「矛盾してるよユズちゃん」


私の可愛い可愛いそして美しいかすがを簡単に奪った上杉先輩を妬むのは何時もの事。(まぁ、上杉先輩は顔も良いし?たしか成績も良かった筈だし?・・・ち、ちくしょう!)
そんな私を見て、猿飛君は楽しんでいる。これも何時もの事。


「どうして私男に生まれなかったんだろう・・・男だったらかすがを幸せに出来るのに」
「残念ながら、男でも上杉先輩じゃなきゃかすがに近づく事すら難しいと思うけどね」
「はははそんな事!私のかすがへの愛に比べたら佐助みたいなものよ!」
「え、何それ俺様もしかして貶されてる?ねぇ、俺様のこと貶してるの?」
「あーお腹すいた。佐助一緒に昼飯食べようぜ!」
「はいはい。あ、じゃあ真田の旦那も呼ぶからねー」
「どーぞどーぞ」



そう、今日もまた何時もと変わらない一日だ。



心酔少女の一日
(か、かすが!一緒に帰らないかい!?)
(悪い、上杉先輩が)
(上杉先輩イイイイイイイイイイ!!!)
(おやおやユズ。わたしにやいているのですか、)




10/09/14
どうしようかすが可愛い
すごく楽しく書けました◎


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