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「リゼ、好き」

彼は何を考えているのだろうか。

もし彼が眩しいほどのイケメンじゃなかったら、もしくは私がそんな甘い言葉に慣れていたらその一言にさほど意味など無かっただろう。しかし彼はとってもイケメンで、その上私は甘い言葉になど慣れていない。
従って、私の顔に熱が集まるのは必然の事なのだ。仕方が無い事なのだ。
もう一度言おう。私はそんな甘い言葉に慣れていないし慣れる事は出来ないだろう。

「なななっ、え、N!!?ちょ、あ、あんた今」

クスクスと笑いながら、Nは私に1歩2歩と歩み寄ってくる。
そこ笑うとこじゃないよN、っていうか何近寄ってきてるのちょっと待ちなさいよ。
近寄られた上にムダに整った顔を近づけられると、私の体温はさらに急上昇。熱が頭に集まりすぎてクラクラするのは気のせいでは無いだろう。

「おかしいな、リゼだけだよ。そんな反応するのは。」

そりゃ、私が貴方に恋慕というものを抱いているんだから当たり前でしょ!そう言い返したかったのに口は金魚のようにパクパクと開いて閉じてを繰り返すのみで、ああやっぱり私、頭がちゃんと働いてないみたい。

「ふふ、今のリゼの顔、とっても可愛い」
「!!!」

あたふたとする私に、Nはトドメの一言を食らわせてくれたようでした。柔らかそうな唇を小さく開いて言葉を作り出すのを、私は死刑宣告を聞かされる囚人のような表情で見つめていた。



「まるで、クリムガンみたい」
「……ん?」

くりむがん? クリムガンって何だっけ? えっと……たしか、ドラゴンタイプの、あのごっついポケモンの事だろうか。何だそれ。私の顔が厳ついって言いたいのか。いやまあ確かに可愛いとは思わないけど!

Nは首をかしげた。

「えっ、何? クリムガンは嫌いかい? ええと、じゃあアギルダー? それともナゲキ?」
「……。」

さあっと火照りが引いていく感覚があった。



つまりは真っ赤(でした)
いやね、Nの言いたいことは分かるよ? 分かるんだけど



10/10/17


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