突然だけれど、人には4つパターンがある。
パターン@すぐ怒る人。何があろうと怒る人。
パターンA基本的には怒る人。だけどたまに優しい。
パターンB基本的には優しい。でも怒らせるととても怖い。
パターンC絶対怒らない人。菩薩。
世の中の大半はAかB。けれども世の中には@もCも居る。私はずっと彼こそ絶滅危惧種のCだと思っていた。(だってプリン食べちゃったときだって、笑って許してくれたし!)
とんでもない勘違いでした。
「ふぅ、今まで僕も結構我慢してたんだけどな」
何だこの空気。何だこの人。あれ、この人あれだよね、私の彼氏だよね。何で私土下座してんだろ、
「どういうつもりだい?リゼ。」
「ご、ごめ……すいませんでした!」
どういうことか聞きたいのは私の方だ。
あのエンジュジムの爽やか貴公子とは打って変わって鬼のようなオーラ。顔がイケメンなのは相変わらずだけれど。優しくて顔も良くてポケモンにも人間にも人気のあるマツバが好きで、ようやく彼女の座まで上り詰めたと言うのに。
わき腹をくすぐっただけで(一応面白い反応は見れたけれども)怒る人だとは微塵も思わなかった。
こんな事ってあるのか?
「で、でも……マツバって怒ると怖いんだね、は、初めて知ったよ〜ははは……。」
何とか雰囲気を和らげよう。
明るい声と精一杯の苦笑いを浮かべてみるものの、マツバの次に言い放った一言で、この場の空気は一気に、ユキメノコも吃驚な寒さまで下がってしまう。
「あ?」
な、何だこの不良っぽい低い声! え、これマツバ? 本当にマツバ? ゲンガーがマツバに化けて悪戯してるんじゃないの?
そんな考察なんて如何でもいいと言わんばかりに、マツバは私の頭に手を置いて下へぐいっと力を込めた。勿論そんな事をされるとは微塵にも思ってなかったから、思いっきり床に頭をぶつけてしまった。
ゴン。と鈍い音が部屋中に響いた数秒後、ジンジンと遅れてやってきた痛みに思わず視界がぐらりと揺れる。
「い、痛……」
「痛い?そうかそうか、じゃあもう1発
「ま、まって! ごめんなさい本当に! 許して下さい!」
髪を掴んだままのマツバの手に私の手を重ねて懇願する私の顔(主に額)を見た彼は、貴公子スマイルでニッコリ笑った。
ああ良かった、許してくれるらしい――――――
そう思ったのもつかの間、口角を上げたマツバは「 い や だ 」と子供のように言って私の髪をきつく握りなおした。
「いぎゃあああ痛い! イタイイタイ!! 痛いってマツバぁ!!」
「うわ、その顔と声そそる。」
「そそ……?何を、い痛い! いたいよ髪抜けるううう!!」
「はははは」
もしかして、いやもしかしなくても、彼はもしかしてドSの血が流れているのではないか。そういえば彼は「ずっと我慢していた」とか言っていた気がする。Cじゃなかった、Bだったか。いやもしかしたらAかも。@だったら別れよう。
私の髪をギュウウと引っ張るマツバの顔は、今まで見せていた笑顔とは比べ物にならないぐらいのキラキラスマイル。この上なくかっこいいんだけど、うん、ドS確定。
「うーん、やっと本当の自分を出せたって感じ。」
艶やかな笑顔を浮かべて目を細めているマツバは、髪の付け根を抑えたままぐったりと横たわるリゼの頬に触れるか触れないかのキスを落とした。
頭を打ち付けられたりしたのに、それでも全然嫌と感じない私は、Mの素質があるのか。それとも頭を打った衝撃で可笑しくなってしまったのか。頭を打った衝撃で、にしてほしい。自分がM? まさか、そう考えただけでゾッとする!
「マツバって、マツバって実は……」
「うん、初めまして。ドSなマツバが、本当の"俺"です。」
「えっ、……俺?」
どうやらこれから私はドSと付き合っていくことになるらしい。
リミッターは外れた
10/03/01
10/06/13
パターン@すぐ怒る人。何があろうと怒る人。
パターンA基本的には怒る人。だけどたまに優しい。
パターンB基本的には優しい。でも怒らせるととても怖い。
パターンC絶対怒らない人。菩薩。
世の中の大半はAかB。けれども世の中には@もCも居る。私はずっと彼こそ絶滅危惧種のCだと思っていた。(だってプリン食べちゃったときだって、笑って許してくれたし!)
とんでもない勘違いでした。
「ふぅ、今まで僕も結構我慢してたんだけどな」
何だこの空気。何だこの人。あれ、この人あれだよね、私の彼氏だよね。何で私土下座してんだろ、
「どういうつもりだい?リゼ。」
「ご、ごめ……すいませんでした!」
どういうことか聞きたいのは私の方だ。
あのエンジュジムの爽やか貴公子とは打って変わって鬼のようなオーラ。顔がイケメンなのは相変わらずだけれど。優しくて顔も良くてポケモンにも人間にも人気のあるマツバが好きで、ようやく彼女の座まで上り詰めたと言うのに。
わき腹をくすぐっただけで(一応面白い反応は見れたけれども)怒る人だとは微塵も思わなかった。
こんな事ってあるのか?
「で、でも……マツバって怒ると怖いんだね、は、初めて知ったよ〜ははは……。」
何とか雰囲気を和らげよう。
明るい声と精一杯の苦笑いを浮かべてみるものの、マツバの次に言い放った一言で、この場の空気は一気に、ユキメノコも吃驚な寒さまで下がってしまう。
「あ?」
な、何だこの不良っぽい低い声! え、これマツバ? 本当にマツバ? ゲンガーがマツバに化けて悪戯してるんじゃないの?
そんな考察なんて如何でもいいと言わんばかりに、マツバは私の頭に手を置いて下へぐいっと力を込めた。勿論そんな事をされるとは微塵にも思ってなかったから、思いっきり床に頭をぶつけてしまった。
ゴン。と鈍い音が部屋中に響いた数秒後、ジンジンと遅れてやってきた痛みに思わず視界がぐらりと揺れる。
「い、痛……」
「痛い?そうかそうか、じゃあもう1発
「ま、まって! ごめんなさい本当に! 許して下さい!」
髪を掴んだままのマツバの手に私の手を重ねて懇願する私の顔(主に額)を見た彼は、貴公子スマイルでニッコリ笑った。
ああ良かった、許してくれるらしい――――――
そう思ったのもつかの間、口角を上げたマツバは「 い や だ 」と子供のように言って私の髪をきつく握りなおした。
「いぎゃあああ痛い! イタイイタイ!! 痛いってマツバぁ!!」
「うわ、その顔と声そそる。」
「そそ……?何を、い痛い! いたいよ髪抜けるううう!!」
「はははは」
もしかして、いやもしかしなくても、彼はもしかしてドSの血が流れているのではないか。そういえば彼は「ずっと我慢していた」とか言っていた気がする。Cじゃなかった、Bだったか。いやもしかしたらAかも。@だったら別れよう。
私の髪をギュウウと引っ張るマツバの顔は、今まで見せていた笑顔とは比べ物にならないぐらいのキラキラスマイル。この上なくかっこいいんだけど、うん、ドS確定。
「うーん、やっと本当の自分を出せたって感じ。」
艶やかな笑顔を浮かべて目を細めているマツバは、髪の付け根を抑えたままぐったりと横たわるリゼの頬に触れるか触れないかのキスを落とした。
頭を打ち付けられたりしたのに、それでも全然嫌と感じない私は、Mの素質があるのか。それとも頭を打った衝撃で可笑しくなってしまったのか。頭を打った衝撃で、にしてほしい。自分がM? まさか、そう考えただけでゾッとする!
「マツバって、マツバって実は……」
「うん、初めまして。ドSなマツバが、本当の"俺"です。」
「えっ、……俺?」
どうやらこれから私はドSと付き合っていくことになるらしい。
リミッターは外れた
10/03/01
10/06/13