※ハヤト君は小学校中学年くらい
※担任はマツバ先生、アカネが給食作ってる栄養士
俺は、給食時間が体育の時間と同じくらい好きだ。もしメニューがカレーライスなら体育よりも好きだ。
それはまあ、アカネおばちゃん達のつくる給食が美味しいからなのだけれど、もう一つだけ誰にも言えない秘密の楽しみがあるのだ。
クラスの仲を深めるために、班を作って机をくっ付けて食べるのがマツバ先生の決め事なのだけれど、俺はいつも意地悪なマツバ先生が珍しく良い事をしたと思っている。
なぜかというと、机をくっつけた時の向かい合わせの席に座った女の子はリゼちゃんだからだ。(俺の、は、ははは初恋の相手でもある!)
大きな瞳とか、小柄な体とか、や、柔らかそうな髪の毛とかがとにかく可愛い。
けれど、幸せと同時に給食の味が分からなくなった。(今日のメニューは俺の大好きなカレーだったというのに!)
おまけに、意識してしまう余りに俺のリゼちゃんへの応答はそっけないものになってしまうのだ。
「ねえねえハヤト君」
「・・・な、何?」
目の前で俺に話しかけてきてくれたリゼちゃんは凄く可愛い。
たとえ口の横や着ている服にルーがこぼれていたとしても!
ただ、もう少しまともな反応が出来ないのか!と思っていたよりも低い声が出た自分が嫌になった。
「え、ええっと、」
目を泳がせたリゼちゃんは、ちらりとマツバ先生を見た。
マツバ先生も、リゼちゃんを見て、ニコリと笑った。(俺にはあんな笑顔見せないぞ!)
そして、マツバ先生はリゼちゃんに向けて親指を立てた。
それがどういう意味なのか分からず、首をかしげながら味のしないカレーライスを口に入れる俺に、リゼちゃんはもう一度同じ言葉を繰り返した。「ええっと、」
「これ、食べてくれないかな?」
「・・・・・・・・・グリーンピース?」
彼女が差し出したのは、お皿の端に綺麗に隔離されたグリーンピースだった。
俺はもう1度マツバ先生を見た。
今度はマツバ先生は俺に向けていつも見せる意地悪な笑顔をしていた。(むかつく!)
きっと、マツバ先生は俺のこのリゼちゃんへの気持ちを知っているんだと思う。
誰にも言っていないはずの事を、マツバ先生はいつのまにか知っている。この前聞いてみたらそれは『せんりがん』とやらを"くし"しているかららしい。
「グリーンピース嫌いなの」
「う、・・・うん。ダメかな?」
リゼちゃんは申し訳無さそうな顔をしてお皿を持った手を引っ込めようとした。
俺がそれを慌てて引きとめようとしたから、おおお俺の手がリゼちゃんの、ててててて手に触れる事になってしまった!
「し、仕方ないな、食ってやる。」
「わあ、ありがとうハヤト君!」
彼女から受け取ったグリンピース数粒を、自分の皿に移しながら俺は思った。
実はと言うと俺もグリーンピースは苦手だ。
けれど、
だけど、リゼちゃんの向日葵みたいな顔を見せられたら、仕方ないじゃないか!
視界の端に映りこむ、相変わらず意地悪な笑顔のマツバ先生は、たしか俺がグリーンピースを嫌いな事を知っている。
先生だろ、生徒を助けてくれよ畜生ばかやろー!
「ハヤトかっこいいぞ。頑張って食べろよー」
「ハヤト君ありがとう!」
「・・・フン!」
(・・・先生の馬鹿)
そんなこんなで俺は増えた大量のグリーンピースと一緒に口に放り込むのだった。
嫌いな食べ物処理係!
どうやらリゼちゃんにとって俺はその程度らしい。
悔しいから今日の帰りはバイバイを言われても返してやらない事にした。
10/09/16
「ああ、アレ?ハヤト君のグリーンピース嫌いを治そうと思ってね。」
「リゼちゃんのグリーンピース嫌いは良いのかよっ」
※担任はマツバ先生、アカネが給食作ってる栄養士
俺は、給食時間が体育の時間と同じくらい好きだ。もしメニューがカレーライスなら体育よりも好きだ。
それはまあ、アカネおばちゃん達のつくる給食が美味しいからなのだけれど、もう一つだけ誰にも言えない秘密の楽しみがあるのだ。
クラスの仲を深めるために、班を作って机をくっ付けて食べるのがマツバ先生の決め事なのだけれど、俺はいつも意地悪なマツバ先生が珍しく良い事をしたと思っている。
なぜかというと、机をくっつけた時の向かい合わせの席に座った女の子はリゼちゃんだからだ。(俺の、は、ははは初恋の相手でもある!)
大きな瞳とか、小柄な体とか、や、柔らかそうな髪の毛とかがとにかく可愛い。
けれど、幸せと同時に給食の味が分からなくなった。(今日のメニューは俺の大好きなカレーだったというのに!)
おまけに、意識してしまう余りに俺のリゼちゃんへの応答はそっけないものになってしまうのだ。
「ねえねえハヤト君」
「・・・な、何?」
目の前で俺に話しかけてきてくれたリゼちゃんは凄く可愛い。
たとえ口の横や着ている服にルーがこぼれていたとしても!
ただ、もう少しまともな反応が出来ないのか!と思っていたよりも低い声が出た自分が嫌になった。
「え、ええっと、」
目を泳がせたリゼちゃんは、ちらりとマツバ先生を見た。
マツバ先生も、リゼちゃんを見て、ニコリと笑った。(俺にはあんな笑顔見せないぞ!)
そして、マツバ先生はリゼちゃんに向けて親指を立てた。
それがどういう意味なのか分からず、首をかしげながら味のしないカレーライスを口に入れる俺に、リゼちゃんはもう一度同じ言葉を繰り返した。「ええっと、」
「これ、食べてくれないかな?」
「・・・・・・・・・グリーンピース?」
彼女が差し出したのは、お皿の端に綺麗に隔離されたグリーンピースだった。
俺はもう1度マツバ先生を見た。
今度はマツバ先生は俺に向けていつも見せる意地悪な笑顔をしていた。(むかつく!)
きっと、マツバ先生は俺のこのリゼちゃんへの気持ちを知っているんだと思う。
誰にも言っていないはずの事を、マツバ先生はいつのまにか知っている。この前聞いてみたらそれは『せんりがん』とやらを"くし"しているかららしい。
「グリーンピース嫌いなの」
「う、・・・うん。ダメかな?」
リゼちゃんは申し訳無さそうな顔をしてお皿を持った手を引っ込めようとした。
俺がそれを慌てて引きとめようとしたから、おおお俺の手がリゼちゃんの、ててててて手に触れる事になってしまった!
「し、仕方ないな、食ってやる。」
「わあ、ありがとうハヤト君!」
彼女から受け取ったグリンピース数粒を、自分の皿に移しながら俺は思った。
実はと言うと俺もグリーンピースは苦手だ。
けれど、
だけど、リゼちゃんの向日葵みたいな顔を見せられたら、仕方ないじゃないか!
視界の端に映りこむ、相変わらず意地悪な笑顔のマツバ先生は、たしか俺がグリーンピースを嫌いな事を知っている。
先生だろ、生徒を助けてくれよ畜生ばかやろー!
「ハヤトかっこいいぞ。頑張って食べろよー」
「ハヤト君ありがとう!」
「・・・フン!」
(・・・先生の馬鹿)
そんなこんなで俺は増えた大量のグリーンピースと一緒に口に放り込むのだった。
嫌いな食べ物処理係!
どうやらリゼちゃんにとって俺はその程度らしい。
悔しいから今日の帰りはバイバイを言われても返してやらない事にした。
10/09/16
「ああ、アレ?ハヤト君のグリーンピース嫌いを治そうと思ってね。」
「リゼちゃんのグリーンピース嫌いは良いのかよっ」