family



「このことは、二人の秘密にしよっか」

『いいんですか?』



というか、そういえばリボーンと呼ばれたボルサリーのをかぶった男性もどこかに消えている

今は私と沢田さんしかいない

ここには、まず何人いるんだろうか?



「いいのいいの、俺のファミリーを紹介するよ」

一緒に行こう



そう言って私の手を握るその手は温かくて

なんだかとても泣きたい気持ちになった

だけど、こんなところで泣いていしまってはただの変人だ


腕を引かれおとなしく沢田さんの一歩後ろを歩いているとこれまた大きな扉の前に着いた

重たそうなドアだが、簡単に開けた沢田さんはその中に私の腕を引きながら入っていく

中は会議室のようで、5人ほど男の人がそろっていた



「みんな……は来てないよね」

「10代目、俺呼んできます!」

「いや、またおいおい紹介するからいいや」



10代目に手間かけさせやがって

なんていう銀髪の人

なんというか

忠犬



「今日からここで一緒に住むことになった子を紹介するね」

『はじめまして、訳あってここに住まわせていただくことになりました櫻井深雪です』



よろしくお願いします

そう言って頭を下げた



するとみんなそれぞれ自己紹介をしてくれた

銀髪で忠犬な獄寺隼人さん

爽やかで人のいい笑顔を見せる山本武さん

ワイルドで極限と叫ぶ笹川良平さん

癖っ毛がなんだか可愛く無駄な色気があるランボさん

ボルサリーのをかぶった大人っぽい雰囲気のリボーンさん


まだ何人かいるようだがまた紹介してくれるらしい



「じゃぁ、深雪ちゃんには俺の秘書として働いてもらうね」

『分りました、よろしくお願いします』



どうやらこの屋敷にはメイドさんもいるらしく、ようがあったら俺かメイドさんに聞いてねって言われました

さて、こっちの世界でも

しっかり頑張って役目を果たしたいと思います

あれ、作文?



「部屋は最初君が寝ていた部屋を使っていいよ」

何も置いていなくてごめん



そんなことを言って苦笑いをするが

いえいえ、私からすれば充分そろっていますよ

ベッドにデスク、クローゼットに部屋にはシャワールームもついている



『充分すぎますよ、ありがとうございます』



次は簡単な仕事内容を確認するために執務室に向かっている

これまた大きな扉だ

中も広い

そして汚い



「ははっ、ごめん汚くて」



乾いた笑みをこぼす沢田さんだが笑いない

紙の山、山、山

足の踏み場がないじゃないか



『私、片付けましょうか?』

「え!?こんな大量なの無理だよ」



大丈夫です

そう言ってふわりと手を動かせば散乱していた紙が宙を舞いだして種類別に整理されていく

片付けていてふふっと笑ってしまったのが

とこどころに散らばっているお見合い写真

どれもきれいな人ばかりだった

終始、沢田さんは無言で見つめていた



『だいぶ片付きましたね』

「すごっ!そんなことまでできるの?」



驚いたように、好奇心に目を輝かせながら私の手を握り感動している沢田さん

おかしくないのか?

まぁ異世界から来たといった時点で、おかしいか

一人納得し、輝かしい目を向ける沢田さんに苦笑いする



『たいていのことは出来ますよ、私は中でも魔力が強い方だったんで』



本当は強い方なんてもんじゃない

周りから恐れられるぐらい強かった

幼いころは制御できなくてよく祖母を困らせた



「書類も片付けてもらったし、仕事の内容だったね」



そう言って順に説明していく沢田さん

簡単なもので、直ぐに覚えることもできそうだ


説明を受けた後は自由にしていいと言われたのでとりあえず自室に戻ることにした

そして自室に戻った後、不意に窓に自分の姿が映るのを見た



『え……あれ?私の右目……』

そこには左目と同じ黒ではなくて赤色で

でも少し動くと青や緑、黄色にオレンジなど、いろいろな色に変わるではないか



『えええええぇぇぇぇぇぇぇぇ!!?』



けして叫んではいないが、珍しく動揺を隠せない自分がいる

一体なぜこんな目なのか

   

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