覚悟

『……うそ』

「どうしたの?早く入ろうよ!」



ついた先の目の前に建つのは大きな大きなお城でした



でえええぇぇぇぇぇぇぇぇ!!?



口には出さないものの心の中では言葉になりきらない声が漏れた

己の目の前に立ちそびえるお城のような建物はとても美しい

思わず感嘆の声も出そうだがそれよりもでかい

まず、でかい

ネロを抱く腕に思わず力が入ってしまうような威圧感があった



『お、おじゃまします』

「みんな―!核を見つけたよおおおおお!!」



驚くほど大きな声を玄関口で叫んだエレナ

ふぅ

と満足そうに息をついているが

なんて大胆なんだろうか

だけど、とても年相応しい笑顔で私までなんだか楽しくなってしまった



「やっと見つかったのか」

「おぉ、見目麗しきこのお方が核か!」

「そーだよ!エレナすごいでしょ」




安堵の息を漏らしてほほ笑む男性

目を輝かせて私の手の甲にキスを落としたのもまた男性

とても安心したような笑みの二人に

エレナはえっへんと自慢げにしている



『はじめまして、ニコラ・ステイシーと申します』

「はじめまして、俺はゴードン・クウォーク 無事で何よりだ」

「俺はエルヴィス・バース よろしくな、お姫様」

「私のことは知ってると思うけど、エレナだよ、核が女の子なんてほんと嬉しい!」



自己紹介もほどほどにリビングへと入った私はもう頭が痛かった



どれだけ豪華なんだこの城は

私もここにこれから住むといろいろ心配になってきた

迷子とか迷子とか迷子とか……

慣れるまでがきっと勝負なのだろう

白を基調に造られた屋敷はとても落ち着いた雰囲気だった



「まず、ニコラの命を採りに来たのは”ウォッカ”という組織だ」

『その組織は、一体何なの?』

「とりあえず言えることは、頭が逝ってるやつばっかの集団ってことぐらいだよ!」

「エレナ、話がややこしくなるから黙ってろ」



エレナがケラケラと嗤って馬鹿にしているが

あながち嘘でもないようだ

疑問は生まれるばかりであるが

まず知りたいのは目的が何かだ



『ウォッカの目的は?』

「メアの力は知っているだろう、その力の源でもある核の、君の力を手に入れることさ」

『私の力が、メアの力の根源になってるってこと?』

「あぁ、そうだ メアの日記を唯一使用できるんだ」



ウォッカはこの力を手に入れ何をしたいのか

そもそもメアの力とは何を意味するのか

この日記がそんなに特別なものなのか

あぁ、まだまだ分らないことだらけだ



『日記なら、持ってるわ この日記は私の母の部屋にあったけど、書いたのはたぶん祖母』

「代々継承だれて来た、というわけか……」



日記をカバンから取り出し表紙をそっとなぜた

ゴードンは顎に手を当て、継承の経路を推定している

確かに、母の部屋から出てきたから母にも継承されていたと考えるのが普通だろう

気になるのは、この日記に隠された力だ



『ウォッカはこの力を手に入れて、何をしようとしているの?』

「それは、世界征服とでもいうのがあてはまるだろうか」

『世界征服?』



この力で、一体どんな世界征服をするというのか

そんな力ではないと思うんだが

とにかく、良くないことをしようとしていることは分った

私のこの力をウォッカに渡してはいけないということも



   



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