「ウォッカは全体で何人いるのかも分らない組織だ」
『端から端まで謎ってことね』
「あぁ、だから下手に動くこともできなくてな……」
『そう、でもそうね これはこの日記をかけた戦いってことは分かったわ
』
「要はそういうことだな」
この日記がすべての鍵を握っている
この血のついた日記が何を意味するのか
『この日記に隠されてるもの……』
「ウォッカに渡せば大変なことになる」
でも、この日記に隠された力が何かは全くの謎であるのも新いつ
なぜそこまで欲しがるのだろうか
「仮に日記が取られたとしてもニコラの力が取られなければ問題はないだろう」
『繋がっている、ってこと?』
「そういうことだな」
『でも、それじゃぁおかしいの』
「何がだ?」
怪訝そうに眉を寄せるゴードンは不思議そうに尋ねる
エレナもエルヴィスも同じように首をかしげている
『別に核の力がなくても日記は操作できるはずよ、だって私を殺そうとしたのよ?』
「殺そうとした?」
『それに、きっとみんなも日記は使えるわ』
私は絶対にメアの力の持ち主ならだれでも操作できると思う
そして、力の持ち主の残り一人はきっとウォッカにいる
これはあくまで想像だけど、だけど私の中の何かがそう言っているんだ
『まず、私の所に来たエレナは泣いていたでしょ、あなたは核の私が泣いていることで反応して同じように涙を流した、ということはメアの力はお互い繋がりあっているってことでしょ』
「確かにそうだが……」
『だから、きっと操作は問題ないと思うの ただ、対価だいるだけ』
確信を得たのとともに
つながりを持ていることに何かの違和感があった
おかしなつながりである
そしてどこかもどかしい
どうしていつのい時代もこう、醜く争わなくてはいけないのか
『対価が何か、彼らは知らない だから私を殺そうとするの』
「ニコラが使う分には対価はいらないんだろう?」
『えぇ、私の場合は血縁者だから』
この日記を持った時から胸の内を支配している
懐かしいという感情
きっと祖母から母へと渡り、そして私のもとへ来た
あの日記に隠されたなぞは多い
血ぬれたページも
祖母が記した日々も
なんて哀れなの
不意にそんな言葉が私の頭を支配した
誰かが終わらせないといけないことなんて分ってる
他の誰かがするくらいなら
幸せを持つ誰かがその役を果たすというならば
私が行こう
誰も不幸にはさせたくないの
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