ぬくもり

ただただ驚いている時だった

傷口付近の毛に埋まるきらりと光るものを見つけ、手に取ってみる



『ピアス……?』

「これはっ! メアの証」

『メアの証?』



深い海のような青の石が埋め込まれた指輪

光に照らされてきらりきらりと美しく光った



「このピアスはメアの力の核しかつけることができない、つまりニコラしかつけることができないの」

『わ、たし?』



本当に私がつけていいのだろうか

にっこりとかわいらしく笑うエレナはつけてつけてとせかすが

私自身つけることに内心戸惑っている

本当に私が核なのだろうか?



「だ―いじょうぶだよ!」

『う、うん』



とりあえず、そもそもネロから出てきたもの

食べでもしたのが傷口から出たのだろうか?

そんなバカな



もともと耳に穴は開いていた

そっと通してつけてみる



「ぴったり!素敵!」

『えぇと、エレナさん、メアの力の持ち主って言っていたけど』

「エレナでいいよー、さん付けなんてそんなの認めなーい! 力の持ち主は私の他にもあと二人いるよ」



二人ということは私とエレナを含め四人、あと一人

一気に見つかってしまった

面倒が省けて嬉しい一面

あと一人が気になった



「とりあえず、私たちの家に行こうよ、ニコラもそこに住めばいいよ!」

『えぇ!!?いや、さすがにそれはまずいんじゃ……』



いきなりこの少女は何を言い出すのか

確かにこの家はもう住めたもんじゃないほど壊滅的だけど

そうだといってもさすがにまずいのではないだろうか



「みんな絶対大歓迎だよ!なんせニコラは私たちの核なんだから」

『でも……ううん、ありがとう』



絶対的なかわいらしい笑顔だが絶対にこれは譲らないと目が訴えている

目は口ほどに物を言うと言ったやつはさすがだと思う

ここはきっと折れるしかない

でも私もそれなりに、感情が高ぶっている

とても、嬉しいんだ

こうしてまた人のぬくもりに触れることができているのだから



あぁ、なんて愛おしいんだろうか


   



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