弐
ギャルルルッその瞬間、妖怪達の頭上からタイヤが回る音が響いて、数人の妖怪が見上げると
妖怪達へと一直線、車が突進して来た。
「―――あ?
うわぁああぁ!!?」
その車から人影が飛び出すと、妖怪達に向かい如意棒が振り降りた。
驚く妖怪他達は意味も分からず、数人が如意棒によって地面へと伏す。
「……な
何だてめェらは!?」
車から降り、現れた異様な格好の5人。
伸びた髪は無造作と言うよりもボサボサで、ローブの血痕が妖怪達を怯えさせるのには十分だった。
「邪魔するつもりなら……」
「――邪魔なのは今ここで」
カチャリ――…
妖怪に真っ直ぐ向けられる銃口
「道 塞いでるてめぇらだ。」
ガウン!!銃声をキッカケに、ローブの5人は妖怪達へと攻撃を開始する
如意棒で殴り、気功が放たれ、金色の糸が舞い、蹴りや拳、そして銃声が次々と妖怪達をなぎ倒していく。
そんな様子を、2人の男は何が起きているのかも分からずにポカーンと見ていた。
「〜〜〜ッ
おい ズラかるぞ!!」
妖怪が馬車の荷物を持ち、逃げ出そうと走り出した。
だが、それを見逃す事もなく
錫月杖の鎖が伸び、残りの妖怪全てを切り刻んだ…
「アンタ達はいったい…」
2人の男は座り込み、怯えながら5人を見上げた。そしてその5人は
バタリ……ドサッ―――ゆっくりとその場に倒れた。
空腹の音を上げて
「………何なの…」
.
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