弐拾四




「―――ッ!?
おい!!前ッ!」


「えッ?あッ…!」












視線を前方に向けた三蔵が声を荒らげ、八戒が顔を上げた先…

すぐ目の前に人影があり、八戒は慌ててハンドルを右へと切りながらブレーキを一気に踏み込んだ。













「うおッ!!?」


「だぁああッ…!」


「きャ……ッ!?」


「―――くッ…!」


「ッつ――――!!」













ガクン…と止まったジープの中は、当然の如く5人は体勢は前のめり。

悟空に至っては、シートから落ちてしまいお尻だけが見えている状態。














「皆さん…大丈夫ですか?」


「っててて…
一体何だってンだよ」


「びっ…くりしたァ…
悟空!大丈夫?」


「いってー…!」


「テメェは何してやがる!」


「す、すみません!
まさかこんな山奥に人が歩いているなんて思っても…」














チラッとジープの後方を見る。
ジープには当たった衝撃はなかった以上、轢いてはいない筈…















「…………なぁアレ…」


「ヤバいんじゃね…?」


「ちょ…あ、人…!」


「八戒…お前とうとう…」


「ち、違います違います!
避けた筈ですよ!
衝撃だってなかったですし!
ね?ジープ?!」


「キューイ」


「……だったらアレはどう説明するつもりだ」


「「「「「……」」」」」














ジープの後方には
人がうつ伏せで倒れていた…


服装からして女性だろうか

少しの間、5人は倒れた女性を見ていたが一向に動く気配もなかった






.

[ 37/40 ]

[*prev] [next#]
[目次]
[栞挟]
書物一覧に戻る



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -