弐拾四



その夜―――



村の1つの家で家畜にエサをあげようと、おばさんがエサを運んでいた。















「はいはいおまたせ。
おやおや、どうしたんだい」














おばさんの飼う家畜の羊は、メェーメェーと鳴き続けている。














「今日はずいぶんと落ち着きが――――ッ!!?」














背後からいきなり口を塞がれ
唸るおばさんの腹部に、鈍い痛みが入ると
おばさんはそのまま床に倒れてしまった…
















「…今日の獲物はババアかよ。
チッ」


「贅沢言ってらんねぇだろ。
あんま派手にやって警戒されたら飯の食い上げだ。
ホラ、さっさと運び出すぞ」


「『ムレムレ熟女と野外乱交マニアックプレイ』――
…っつーAV撮影でもなさそーだな」


「騒ぎが大きくならない程度に神隠しの要領で村人を一人ずつ拐い――
この村を『食料庫』として食い繋ぐ、少人数の犯行だったわけですね」


「なッ…何だてめェら!?」















そう、この村で起きていた神隠しの原因は2人の妖怪によるものだった。

バレない程度に人を拐い
痕跡すら残さないようにしていたのだが、タイミングが悪かった…


村に泊めて貰う間
惷香は村の周りに金糸を張り巡らせており、村に出入りする者がいれば即座に感知されたのだ。

















「しかもその疑いの目は、村外れに住む変わり者の妖怪に向けられるって寸法だ」


「!!」


「あったまイイ―――!
って言うとでも思うか?」


「!?」


















妖怪を取り囲むように次々と現れた三蔵一行に、妖怪は驚きながら冷や汗を流した。


惷香は金糸を張り巡らせていた疲労で借りた家で待機中…

当然行くと訴えたが
三蔵の許しが降りずに惷香が折れた形となったのだ…





.

[ 27/40 ]

[*prev] [next#]
[目次]
[栞挟]
書物一覧に戻る



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -